アカデミー編
監視
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だが、対するうずまきカトナはダンゾウに似ている節がある。
ゆえにダンゾウは、感情がが先走って暴走しやすいナルトではなく、彼の双子の姉であるカトナにこそ、人柱力になってほしいと考えているのだ。
彼女のチャクラコントロール能力の高さは、根の中では知れ渡っている。精密という域を超えたそれはダンゾウすらも唸るほどのレベルに達している。
加えて、大切なものを守るためならば、自己犠牲をいとわぬ精神性も、己の感情すら道具にしてみせる冷徹さ。
すべてがすべて、ダンゾウが考える忍びの条件を満たしている。
そんな彼女の唯一の弱点がチャクラの総量の少なさなのだが、それも人柱力にしてしまえば簡単に補うことが出来る。
ゆえにダンゾウは前々から、ナルトを殺して中に入っている九尾を取り出し、カトナに移そうと動いている。
つまりサイはナルトを殺すために派遣された。
…のだが、ナルトはちっとも警戒していない。
いや、警戒されないように動いているから、それは別にいいのだ。だが、何事にも限度はある。目の前の彼は、あまりにも無警戒過ぎるのだ。
監視という言葉の意味を忘れたように、サイに向かって親し気に話しかけてくる。
まったく、ちゃんと理解しているんだろうかと思いながらも、サイは目の前でにこにこと笑い続ける金髪の少年を見つめる。
脳裏でちかちかと瞬く、忘れられない笑顔があって、その笑顔とよく似ている様で。もうなくなったはずの心がざわめくような気がしながらも、サイはナルトに催促されるがままに、続きを描き始める。
一つ一つ、丁寧に、美しく。
ナルトが更にきらきらと目を光らせ、嬉しそうに笑う。
その表情があの人が浮かべていたものと重なる。
数年前に失った肉親の温もり、少しだけ、懐かしい記憶に思いをはせた。
・・・
「気に入らない」
「は?」
ぼそりと、いきなりそんな言葉を放ったカトナに、サスケはどうしたと肩をすくめる。
カトナはふくれたように、不機嫌そうな顔のままある方向を指し示す。
「ナルトの監視、知らせてくれたって、いいよね」
そう、うずまきカトナはナルトの監視役の人間を知らなかった。
ナルトに年齢が近い監視と、ナルトの九尾のチャクラがもしも暴走したとしても、抑え込める強さを持つ監視が付いているのは知っていたが、カトナはその監視と一度も対面したことがない。
対面したならば、カトナがナルトの監視を引きはがしにかかるだろうと考えられ、逆に引きはがされているが、そこまでカトナは大人げなくはない、はずだ。
断言はできないので、現在、ナルトの監視とカトナが対面することは禁じられている。
「お前が、もう少しナルト離れしたら、会わせてくれるだろ」
「してる、よ?」
「これでか
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