第零話 誕生!!正義の兄弟戦士その十一
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「今更の様に」
「普通に出て来たけれどな」
「そうなのか。しかしそんなことはどうでもいい」
実にしれっとだ、悪田部はそんなことはどうでもいいとした。
「それよりもだ、車もバイクもある」
「それに乗って、ですか」
「学校に行けばいいんですね」
「ジャスティスカイザーならばな」
二人の本来の姿のままならともかく、だった。
「何の問題もない」
「若し俺達が本来の姿で運転したら」
「その時は」
「その時は逮捕される」
無免許運転で、だ。
「覚悟しておくことだ」
「そうですか、やっぱり」
「そうなるんですね」
「しかし何度も言うがジャスティスカイザーなら問題ない」
彼等のその姿なら、というのだ。
「ではいいな」
「はい、じゃあ」
「その姿に試しになってみて」
「そうするといい、何ならヘリも出すが」
「いや、ヘリあるんですか」
「それならそれ出して下さいよ」
二人は悪田部の言葉に速攻で突っ込みを入れた、ここでも。
「そっちの方が絶対に速いですよね」
「道を進むよりも」
「そうだ、どうする」
「じゃあヘリで」
「そっちでお願いします」
二人は悪田部に即答で返した。
「一回ヘリコプターに乗ってみたかったんで」
「それでお願いします」
「わかった、ではだ」
悪田部は二人の言葉を受けた、そうしてだった。
すぐにヘリをチャーターさせた、二人は自分達が今いるビルの屋上に案内された。そこから見える街はというと。
「あれっ、大阪!?」
「だよな」
二人はその街を観ながら話した。
「大阪城見えるし」
「通天閣もな」
あの独特の青緑の瓦の五層七階の天守閣があった、それにあの庶民の趣をたたえる愛嬌のある塔もまた。
「じゃあここはな」
「大阪か」
「そうだ、私の選挙区だ」
ヘリポートからだ、悪田部は二人に語る。風が強く三人共その髪の毛や服を風にたなびかせている。ヘリは既にそこにある。
「だからだ、事務所もだ」
「ここにですか」
「あるんですね」
「その通りだ、つまりだ」
「さっきまで俺達がいたのは」
「長官の事務所ですか」
「秘密のな」
公の場所ではないというのだ。
「その場所を言えばだ」
「はい、その時もですね」
「こっそりと」
「広島県に比婆山という山がある」
悪田部は極めて冷淡な口調でその話をはじめた。
「そこには昔から伝説がある」
「ヒバゴンですよね」
「あの未確認動物ですよね」
「一説によると人を襲って喰らうという」
そうしたことを言う人もいる、しかし実際のところは誰も知らない。ヒバゴンが実在するのかどうかという話と共に。
「彼等に会ってもらうことになる」
「そういうことですね」
「ばらした時は」
「他にはアマゾンもある」
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