第零話 誕生!!正義の兄弟戦士その十
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「では宜しく頼む。ただ」
「ただ?」
「今度は何ですか?」
「若し何かあればだ」
その時はというのだ。
「私は君達を容赦なく切り捨てる」
「つまり俺達は捨て駒ですか」
「そうなんですね」
「捨て駒ではないが証拠は隠滅する」
徹底的にというのだ。
「そういうことだ」
「だからですか」
「俺達に何があっても」
「日本政府にも私にも一切関係がない」
悪田部は二人に言い切った。
「そういうことだ」
「シビアですね、そこは」
「何といいますか」
「当然だ、日帝衆は日本の最高顧問機関だ」
そうなっているのだ、首相直属という形で。
「そして国連にさえ強い影響力を持っているのだからな」
「そうした組織ですし」
「よく考えたら情報収集能力も高いですしね」
「先の戦争は情報収集能力が敗因の一つになった」
よく言われていることである、そしてだったのだ。
「日帝衆はそのことを反省してだ」
「最早、ですよね」
「KGBが裸足で逃げ出す情報収集能力を備えてますよね」
「そうだ、私は見付からない自信があるがな」
悪田部自身はというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「俺達が見付かりそうなら」
「無論君達も見付からない様に手は打つ」
そうしたこともするとだ、悪田部は二人に話した。
「しかしだ」
「それでもですか」
「いざという時は」
「君達を遠慮なく切り捨てる」
やはりこう言うのだった。
「そのことはわかっておいてもらう」
「ううん、じゃあ」
「見付からない様にはします」
「その様にな」
「じゃあこれから」
「今から」
二人はここでこうも言った。
「学校に行きますんで」
「これで」
「そうだな、君達は学生だからな」
それでだとだ、悪田部も納得した。
「学校に行かねばな」
「はい、学校に行って飯食って」
「それで部活にも出て」
「ツレに貸してたCDも返してもらって」
「学校の帰りに牛丼も食いたいですから」
「ではマシンを使って行くといい」
早速だった。
「君達のそれぞれのマシンでな」
「そうそう、マシンってどんなのですか?」
「俺達車の免許持ってないですよ」
二人共まだ十七歳だ、当然ながら車の免許を持っている筈がない。それで悪田部にこう答えたのである。
「それにバイクの免許も」
「自転車なら乗れますけれど」
「そのことは安心していい」
「それじゃあ無免許でもですか」
「構わないんですね」
「君達はあくまでジャスティスカイザーだ」
ここでだ、悪田部は二人に告げた。
「その時はそうなのだからな」
「今初めて戦う時の名前を聞いた様な」
「そういえばだよな」
二人もその名前を聞いて言う。
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