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万華鏡
第八十二話 近付く卒業その十六

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「楽しみにしておいてね」
「商業科、農業科とですね」
「水産科に工業科、看護科も」
「全部の女子軽音楽部が集まって」
「それでなんですね」
「そう、ちなみにうちの学園工業科も女の子多いから」
 普通工業科は男子の方が圧倒的に多い。逆に商業科は女子の方が多い。男子生徒にとっては商業科の方がいいだろうか。
「あそこ軽音楽部もあるのよ」
「そうですか」
「工業科も女子の軽音楽部もあるんですね」
「それだけ女の子がいるんですね」
「そうよ、ちなみに農業科もだから」
 こちらもだというのだ。
「というかあっちどっちかっていうと女の子の方が多いかもね」
「えっ、農業科そうなんですか」
「女の子の方が多いんですか」
「そうだったんですか」
「そうなのよ、農業科の漫画や小説でもそうでしょ」
 農業高校を舞台にした漫画も出てきている、それも人気がある。その舞台は北海道や岐阜県といった場所だ。
「うちなんか牧場もあるし農園も凄いのあるから」
「大学にも農学部ありますしね」
「牛も馬も豚もいますし」
「そうよ、ついでに言うとどの軽音楽部も仲いいから」
 お互いにというのだ。
「あんた達も仲良くしなさいね」
「はい、わかりました」
「そうします」
「後はね」
「後は?」
「後はっていいますと」
「派手にやるから」
 部長はこのことも言った。
「いいわね」
「派手に、ですね」
「今回も」
「そう、全員参加だから」
 このことも言う部長だった。
「健康管理、念を押すわよ」
「はい、風邪をひかない」
「それですね」
「はしかとかおたふくなら仕方ないけれど」
 こうした病気に罹ってしまったら、というのだ。
「それでもね」
「出来るだけ、ですね」
「皆で」
「そう、やるから」
 そのライブをというのだ。
「じゃあいいわね」
「はい、絶対にです」
「参加させてもらいます」
「参加賞はジュースかお茶よ」
 これもあるというのだ。
「好きなの飲んでね」
「お茶、ですか」
「それも出るんですか」
「そう、だから頑張ってね」
 参加賞もあるかだというのだ。
「先輩達を明るく送るわよ」
「はい、じゃあ」
「やらせてもらいます」
 皆部長の言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
 皆で明るく練習をした、テストの後はもうすぐに卒業式だった。その時のライブに向けての練習に励むのだった。


第八十二話   完


                             2014・5・25
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