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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百八十一話 異常なる姫
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であった。
「まあそうでしょうが、殿下のお一人の御身ではございませんので、努々ご油断無きようにお願い致します」

「ええ判っているわ、あまり目立ちすぎると、フェザーンや地球教が暗殺者を送ってくるかも知れないわね。尤も先に暗殺者が来るとしたらアンネローゼにかも知れないけどね」
「殿下」

ほとほと困った顔のエッシェンバッハにテレーゼは真剣な表情で話す。
「敵は頻りにアルテナの裏側のツヴァイを観察しようと躍起になっていたわね」
「御意、殿下のご指示通りに超望遠レンズで観測可能な様に恒星から少々ずれた位置に静止させて置きましたので観測できたと思います」

「そう、細工は隆々仕上げをご覧あれね。何と言っても大分仕込んだから、まあ攻めてくるでしょうね」
そう言われてエッシェンバッハは無駄だと知りながらも待避を進める。
「殿下、今からでも遅くはありません、オーディンへご帰還なさってください」

エッシェンバッハの言葉にテレーゼは今まで見せて居た巫山戯た風の表情からキリリとした凛々しい表情に変わり応えた。
「元帥、それは出来ないわ。仮にも銀河帝国皇女が叛乱軍の襲来が怖くて逃げ帰ったと有っては、前線で働く将兵に示しが付きません。それにイゼルローンからアムリッツアの間に宇宙海賊が集まる予定だったのよね、フェザーン経由で同盟からの依頼で慌てて逃げる私を拉致する計画だったとか」

初耳の話にエッシェンバッハも驚く。
「それは由々しきことではありませんか」
「けどね、その海賊は父上の諜報部の隠れ蓑だった訳」

「陛下のでございますか」
皇帝直属の諜報部の話を噂程度しか知らなかったエッシェンバッハは事実を告げられ驚愕する。
「そう言う事、同盟軍はやる気よ。此処で卿等を信じるわ。思う存分やりなさい」
ここまでの覚悟を見せられた以上、エッシェンバッハも応えるしかなかった。
「御意」


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