暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
71話:The beginning of StrikerS side Lightning
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ていた。なんか心なしか顔が赤い気が……


「ぼ…僕は……」


でも僕は―――ちゃんとした言葉を、返すことができなかった。
僕が何者なのか。以前の―――捨てられる前の僕なら、簡単に答えられたかもしれない。


じゃあ、今の僕は―――いったい誰なんだろう?


「答えられないか?」


不意に聞こえた声で、視線が上がる。
目の前にいる男の人は、特に怒った様子もなく「そうだよな」と言った。


「わからない物を言葉にするのは、誰でも難しい。でもな、それでもいいんだ」


ポンッと僕の肩に置かれたのは、男の人の手。
僕やフェイトさんよりも一回り程大きくて、フェイトさんと同じぐらい温かかった。


「今わからないなら、これから探していけばいい。他の誰でもない、過去のお前でもない……これから先のお前を、さ」


ニカッと笑いながら言った。そして立ち上がりながら「それから」と続ける。


「どんなことがあっても、お前がお前であるのは…変わらないってことも、忘れるなよ?」


そう言って振り返る男の人。そしてフェイトさんと少し話してから、その場を去った。

その時のあの人≠フ背中は……僕には、何故か眩しく見えた。







その日以来、僕はあの人≠ニ度々会うことがあった。

その度にあの言葉を投げかけられる、ということはなかったけど、いつも考えていた。


僕は何者なのか、と。


あの人≠ニ会う最初のうちは、ちゃんとはっきり言うことができなかった。
僕は作られた存在で、どうでもいい存在だと思ってた。

でも……フェイトさんと出会って、あの人≠ニ出会って、それは違うんだってわかった。

僕を『僕』として見てくれて、『僕』を呼んでくれる人がいる。
昔の僕―――『エリオ・モンディアル』じゃなく、今の『僕』は今ここにいる。それはフェイトさんや“あの人”、リンディさんにエイミィさん…色んな人達と出会ったおかげだ。

だから次にあの人≠ニ出会ったら、今度こそ言うつもりだ。
最近会えてないけど…今度は自信を持って、はっきり言えると思う。



僕は―――『エリオ・モンディアル』だって。
















 



はぁ、はぁ、と息荒く足を動かす。林の中を縫って、走り抜けていく。
心臓がバクバクと鼓動して、私の脳に警告音として響き渡る。それでも、足を止める訳にはいかない。

ここで追いつかれたら…もうどうにもならない気がしたからだ。


「―――うわっ!」


だけど林の中には、地面から出てきている木の根という物が付き物で、私はそれにつまずいて倒れてしまった。

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