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【一発ネタ】レイフォンに憑依したオリ主が上から目線で原作をぶっ壊すお話
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《なにごともないその日:1》


「――優勝者! レイフォン・アルセイフ!!」


 リングアナウンサーが栄誉者の名を告げると同時に、爆発的な歓声が闘技場を、続いてグレンダンを揺らす。収容人数5万人の闘技場はグレンダン総人口の一割にも満たない観衆しか収めることが出来なかったが、都市のそこここに配置されたテレビジョンはほぼ全ての都市民に等しく歴史の証人となる権利を与えたのである。そうしてこの日のグレンダンは震撼することになったのだ。

 極限への到達者、12人目の天剣、最後の天剣授受者。確かに今日は格別の栄誉の中でも更に大書すべき記念的存在が生まれた日ではあるのだが、しかし、この日の天剣授受者決定戦は極めて盛り上がりに欠ける内容でもあった。

 予想通り。いつも通り。前の試合と同じ展開。その前の試合も、更にもう一つ前の試合と同じ展開。その更にもう一つ前の試合も…………そのような完全なる予定調和、(合法的な・お遊びとしての)賭けが成立しない大会。武芸を見るという意味では最高に、かつてないほどにつまらない大会。

 だがそれでも良かった。闘技場を埋め尽くした観衆は、家を飛び出して街角のパブリック・ビューイングへ足を運んだ観衆は、執務室や教室や果ては病室へラジオやテレビジョンを持ち込んだ聴衆・観衆達は、昨年綺羅星の如く登場したレイフォン・アルセイフという少年のサクセス・ストーリーを楽しみに来ていたのだから。




 ――その一方で、シナリオ通りにイベントが終わってしまったことへの不満を隠さない者も、探してみれば存在しているものである。具体的には、闘技場の貴賓室とかに。その者の……その女の名前はアルシェイラ・アルモニス。グレンダンに君臨する絶対権力者である。


「はーーーー。嫌だ嫌だ、つまらない。結局新人君の手加減を緩めさせることすら出来ない半端者しか出場していなかったとはねぇ……」


 超越的な実力を備えた彼らにとって、そのような結末は最初から予見されたことであろうに、白々しくも口惜しがって見せながら右隣の男を流し見るアルシェイラ。


「彼の鋼糸……見られなくて残念だったね?」


 言葉面は如何にも残念との体裁をとってはいたが、面に浮かべた意地悪げな笑みが全てを台無しにしていた。要は嘲笑って(揶揄って)いるのだ。アルシェイラの強引(物理)な引き止めと些細な好奇心に屈して大会が終わるまで見事に時間を浪費し続けた男――リンテンス・サーヴォレイド・ハーデンのことを。

 そして、彼女の揶揄いの対象はリンテンスだけでない。次いでアルシェイラは、やはりニタニタといやらしい笑みを浮かべながら左隣の女を見やる。

 しかし、同じくアルシェイラの不快な視線を受けることになった女は、リンテンスと同
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