5を選択
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
。
「ホテルお願いします」
「じゃああっちだね」
「はい」
運転手さんが右手を指し示すと美輪はそれに頷いてきた。
「そっちです。じゃあお願いしますね」
「わかったよ。じゃああっちだね」
「ええ」
「あの、美輪ちゃん」
ホテル街に行くように言った美輪に対してそっと声をかける。
「いいの、それで」
「だってこのままだと風邪引くわよ」
美輪はまたそれを言う。
「そんなことになったらお話にならないじゃない。折角のデートなのに」
「けど」
「いいのよ」
美輪は少し憮然となって言葉を返した。
「私はいいんだから。女の子にここまで言わせないでよね」
「えっ」
「わかったわね」
「う、うん」
話は押し切られてしまった。こうして強は美輪と一緒にホテルに向かうことになった。何がどうなるかわからない。不幸が転じて幸福になる。雨もまた然り。彼は今は雨に感謝したりしていなかったりであった。
曇りの日に 完
2006・12・26
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ