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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
26.闇の侵蝕者たち
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船の上では、ヴァトラーと脱獄囚が激しい戦闘を続けている。
古城はサナを抱き上げたままタラップを駆け下りた。そんな古城と浅葱を出迎えたのは、銀色の武器を持った二人のナース服の少女だった。
「先輩、ご無事ですか」
「浅葱ちゃんも大丈夫そうだね」
「え? 姫柊、逢崎──!?」
思いがけない場所で待ち構えていた雪菜と友妃に、古城は焦る。
ここで彼女達の存在はありがたい。問題は、ここに浅葱がいることだ。
しかし浅葱の注目は二人が持っている武器ではなかった。
「……なんでナース服?」
場違いな二人の服装を見て、浅葱が不機嫌そうに眉を寄せる。
「え、これは……その、深森さんが用意してくださったもので……」
「深森さんって、古城のお母さんの?」
浅葱の表情がますます警戒をます。
「ねぇ、彩斗君はどこ行ったの!?」
友妃は古城へと詰め寄ってくる。
「いねぇのかよ。俺らはてっきり、逢崎たちと合流したもんだと」
彩斗が行方不明となった。彼を古城が把握しておらず、友妃たちも把握していないということは、まだ船内に残っている。それか考えられることは脱獄囚の誰かと戦っていることになる。
だが、戦闘の音は船内からのヴァトラーの音でかき消されている。
その考えの中、表情を凍らせた。
ヴァトラーたちの戦闘に巻き込まれて破壊されたクレーンが、破片を撒き散らしながら古城たちの方へと倒れてくる。
「──やばい、伏せろ、三人とも!」
古城は浅葱たちを地面に庇うように押し倒す。魔力を無効化する槍も刀も質量は無効化できない。落下範囲から逃げれる時間もない。
眷獣を呼び出して吹き飛ばすしかない──が、はたして間に合うのか?
古城が絶望的な思いで唇を噛む。そんな古城の目前で、落下してくるクレーンが、横殴りの水流に軌道を変えた。
「え!?」
粉砕されたクレーンの破片が、古城たちへと降ってくる。
だが、それさえも水の盾が防ぐ。
その攻撃に古城は覚えがあった。それは、“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”が従える眷獣の一体だ。しかし姿が見えない。
「拙者が出る出番はなかったようですな」
時代劇の侍を連想させる、奇妙な声が聞こえてくる。
顔を上げると
超小型有脚戦車
(
マイクロロボットタンク
)
がそこにいた。
戦車の甲羅部分が開いて、その中から顔を出したのは、推定年齢十二前後の女の子だった。
赤い髪を持つ、外国人の少女だ。
放心したような表情で彼女を見上げていた浅葱は、途中でハッと我に返る。
「その喋り方って……あんた、まさか“戦車乗り”!?」
「然様。リアルでお目にかかるのは初めてでござるな、女帝殿」
赤い髪の少女
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