第X章 熾る不死鳥
第026弾 「鴉」
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能だ。
「消し飛べッッ!!」
手榴弾のピンを抜き、緋い粒子の中心へと転移する。そして同時に、自身の身体を後方20mに転移すした。
──────ゴォォオオオオオ!!!!!
手榴弾が轟音を立て起爆し、緋い粒子を薙ぎ払う。
「────、────!!」
が────詰めが甘かった。
『鴉』の本命はあの緋い粒子ではなく、俺の転移終了後に放った緋色の閃光。
──────グジュリ
俺の右脇腹が緋色の閃光によって貫かれ、血が流れる。だが、幸いな事に戦闘は続行できる程度の傷。
多少は動き辛くなるだろうが、身体機能に影響を及ぼす程のモノでは無──────
「───あっ、ヤバイ」
第六感が先ほどの緋い粒子と、同じような警告を発するが────今回は、少し遅すぎた。
「───精神汚染かよ──!」
緋色の閃光に乗って自身へと侵入した術式が、俺の精神の傷を切開しはじめる。
□ ■ □
────アタマガ───イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ。
「っ────ぐ、う────!!!」
頭蓋が軋み、脳がかき回される。
最低な記憶が根こそぎ引きづり出され、脳内で再生される。
────助けて───タスケテヨ、ふぉーす。
視界が歪む。
いや、歪むなんてものじゃない。
視界が崩れ去った。
「──────ァ」
それは────今まで、自身が必死に目を背けてきたモノ。
人として見てしまったら、ココまで積み上げてきた自己≠ェ完璧に崩壊してしまう。
昨日まで一緒に笑っていた奴が、次の日には肉塊になっている最低の日常。
そして、それを行った者達を打倒するのではなく、一人だけ楽になる方法で逃げ出した最低な自分=B
...........自己が先端から崩れる。
自身への嫌悪感が抑えきれない。
名も知らぬ友人達が最後に言う言葉は決まって「助けて」、その一言だった。
「死にたくない」生命として悲しすぎる程......尊い願い。皆、俺に向けて信頼しきった目で助けを願い、願われた数だけ、その願いを踏みにじった。
助けられるだけの異能は持っていたのに、俺は絶対に彼らを助ける事をしなかった。
自分可愛さで、大切なモノ以外はどうでも良いと自身に言い聞かせた。
本当は、ただ────怖いだけだったのに。
あぁ、でも───俺の前で死んだ奴の中に最後の言葉が「助けて」ではな
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