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銀河英雄伝説〜物騒な副官〜
06閉口
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かを納得したように不敵な笑みを浮かべた。
「えっと…バルツァー中将?」
「何でしょう、ミュラー提督。」
「……まさか、本気でヤるんですか?」
「まあ…そのつもりですが。もう下ごしらえは終わってますし?」
「……(マジで…?!)」
「後は、っと…」
バルツァーはおもむろに端末を取り出すと、有無を言わさぬ口調で言った。
「……ああ、私だ。キスリング大佐、20分以内に海鷲に来なければあのことをフェルナーにバらす。」
そう言いきると、端末の電源を落とした。
「………相変わらず、恐ろしい手口ですね…」
「犯罪みたくおっしゃらないで下さい。」
「(脅迫)内容がシャレになってない時点でもうアウトでしょう…」
思わず(心の中で)合掌するミュラー。
「まあ、小官にも大尉を預かる義務はありませんし?これが上策であることは真実でしょう。」
「………確かに。」
「そろそろ、俺は帰らせてもらう。」
おもむろにロイエンタールが立ち上がって言うと、バルツァーが素っ気なくかえした。
「ご勝手にどうぞ。」
「…卿は喧嘩を売りたいのか?」
「そう受け取って頂ければ幸いです。」
「………」
ミュラーは思わず本日何度目かの溜め息をついた。
「おい、ミッターマイヤー、起きろ。帰るぞ。」
「………ん…………」
「しっかりしろ。酒に呑まれるなといった卿が呑まれてどうする。」
ロイエンタールはミッターマイヤーの腕を自らの肩にまわし、立ち上がった。
すると、突如、ミッターマイヤーが話し始めた。
「ホントおまえってさあ……いい…やつふぁよなあ〜」
舌足らずなその物言いにロイエンタールはピクリと眉を動かした。
「おい、ミッターマ…」
「ふだんは〜ちょうひぇつク〜ルのくせに〜いざってときは……やさしーもんな〜」
「………」
黙ってしまったロイエンタールに追い討ちがかかる。
「すごい…照れ屋だもんなーおまえ……そんなとこもオレ、すきだけど〜〜
「…おい、ミッタ…」
「もしかしてー………ツンデレ〜?」
ミッターマイヤーが放ったその一言で空気がピシリと凍った。
「…………おい、ミ…」
「でも〜ちょっとやんでれ、……かもーー〜〜」
「おい、ミュラー。ミッターマイヤーに飲ませたのは、どいつだ。」
「ええと、主にビッテンフェルト提督でしたような…」
責任を丸投げな解答だったが、相当お怒りのご様子のロイエンタール提督はその事実には目もくれなかった。
「では、失礼させてもらう。」
そう言うとロイエンタールは今度こそミッターマイヤーを乱暴に引きずりながら出ていった。





「おい、ロイエンタール、今日も海鷲に行かないか?」
「いいか、ミッターマイヤー。……今週一杯は、卿は、禁酒だと、俺は言った筈だが。」
「確かに、この
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