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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第9話 「聖剣との出会い」
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新たに生まれてくる子に自分の名前を授けてほしいと言っていた。はやてもそれを叶えるために動いているはずだ。
 俺は……はやての力になりたい。
 そこまで思ったときにはマリーさんへの答えは決まっていた。今の俺では技術者として協力できることはないのだ。ならばやれることで協力するしかない。

「やります」
「本当に?」
「はい……」

 今更だがふと思ったことがある。
 魔法の術式にはミッド式とベルカ式が存在しているわけだが、このセイクリッドキャリバーはいったいどちらの術式をメインにして作られたのだろうか。
 ユニゾンデバイスは元々ベルカ側で製作されたインテリジェントデバイスの極端形。それから考えると魔法の術式はベルカ。
 ベルカ式はかつてはミッド式と次元世界を二分する勢力があったそうだが、今は衰退してしまっている。原因としてはカートリッジシステムが搭載されたアームドデバイスを主に使用するため、上手く扱える人間が少ないことが上げられるだろう。まあ今でも根強く使っている術者は存在していると聞くが。
 ただセイクリッドキャリバーは適正の問題の改善のためか俺のデータを参考にして作られたと先ほど言われた。まだメジャーにはなってはいないが、俺の記憶が正しければ確かミッドチルダ式をベースにベルカ式をエミュレートした新しいベルカ式と言える魔法体系が出来始めているらしい。魔法体系はいったいどれなのだろうか。

「あの確認したいことがあるんですけど」
「うん、いいよ。何かな?」
「魔法体系はどれをメインにしてるんですか?」
「え……っと……ベルカだったと思う。……そういえばショウくんってミッド式の魔導師だったね」

 マリーさんはやってしまった……、と言わんばかりの顔をする。おそらく失敗してしまったと思っているのだろう。

「マリーさん、俺はベルカ式も使えますよ」

 ベルカ式を使用する理由は、簡潔に言えば剣を使うからだ。
 習得に至った経緯はミッド式だけでは近接戦闘で決め手が欠けてしまうことも理由だが、純粋に俺の器用貧乏な魔力資質がベルカ式にも適応していたということが大きいだろう。まあデバイスのテストやデータを取るようなことをしていなければ、あれこれと手を出すようなことはしなかっただろうが。

「そっか、そうだよね……え、ほんと!?」
「え、ええ……ミッド式ほど多くは習得してませんけど、多分練習すればある程度はできると思いますよ」
「……君は天才というかデータ取りのために生まれてきたと言ってもいい逸材だね!」

 普段言われないようなことを言われているわけだが素直に喜べないのは何故……というか、マリーさんの顔近いな。興奮してるのは分かるけど、もうちょっと離れてほしい。エイミィの後輩だからってこういう部分は似なくてもいいのに
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