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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第9話 「聖剣との出会い」
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テンションからしてスルーまたは即行で両断される可能性もあったが、幸いなことに俺の言った人物に心当たりがあったようで彼女はきちんと意識をこちらへと向けてくれた。

「マリー? うん、来てたよ。……あぁ、マリーが言ってた今日会う男の子ってショウくんのことだったんだ」
「……何で理解したって感じじゃなくて安堵してる感じなわけ?」
「いやね、マリーは私の後輩に当たる子なんだ。身近な子に彼氏が……ってなったら色々と思うわけですよ」
「…………」
「その何か言いたげな顔は何かな?」
「いや……エイミィにはクロノがいるんじゃないかって思っただけだよ」
「あはは、クロノくんとはそういう関係じゃないし、今のところ対象にも入ってないよ。仲良くしてるのは認めるけどね」

 人をからかうことに長けた人物ならばここで突っ込んだことを言えるのだろうが、ふたりのことを知っている俺には無理だ。
 恋愛について理解が及ばないところがある俺だが、ふたりは彼氏彼女というよりは姉弟のように見える。クロノの身長によって変わって見えるのかもしれないが。

「えっと、マリーと会うんだったよね。私が案内してあげるよ」
「ありがとう……歩かないの?」
「いやね……迷子にならないように手繋ぐ?」
「うん、見失わないから大丈夫」
「ですよねー」

 人のことをからかったりするエイミィだが、ここで引き下がってくれるあたりシュテルよりもまともだと言える。
 移動を始めたものの会話の終わりが終わりだっただけに空気は微妙だ。だがエイミィはこの手のことに慣れているのか、何事もなかったかのように笑顔で話しかけてきた。話題も先ほどまでとは違って、俺がこれから会う人物のことであったため困惑することもなく、気が付けば目的の部屋の前まで来ていた。
 これでエイミィとはお別れだと思ったが、彼女はわざわざ俺が来たことをマリエルという人に伝えてくれた。自分で自分のことをお姉さんと言ったり、ふざけたことを言うが面倒見は良いらしい。普段からこういう感じならばお姉さんと呼ぶことになっても素直に受け入れられたかもしれない。

「失礼します」
「いらっしゃい」

 中に入ると、メガネをかけた白衣の女性が即座に話しかけてきた。メガネに白衣となると叔母の姿が連想されてしまうのだが、目の前にいる彼女は健康そうな顔色をしている。

「えっと、夜月翔くんだよね?」
「はい」
「はじめまして……になるんだよね?」
「え、はいそのはずだけど」
「あはは、ごめんね。私、こう見えてレーネさんとかと面識あるから君の話って結構聞くんだよね。写真とかも見てたから、どうも初めて会うような気がしなくて……って、こんなことどうでもいいよね。マリエル・アテンザです。気軽にマリーって呼んでね」
「は、はあ……」

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