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東方変形葉
全国10カ所の妖気
東方変形葉40話「奈良・白高大神」
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朝。起きて目に飛び込んだのは、真っ白な世界だった。
「そうか、昨日確か大雪特別警報が出たんだっけ。」
清水寺から帰ってきた後にテレビで見たニュースを思い出した。姫雪や人形たちはテレビそのものを見たことがなかったので、興味津々に見ていた。
特別警報が出るほどの大雪だったためか、積雪は30センチを超えていた。幻想郷ももしかしたらこのぐらい降ったかもしれない。
「わあ〜っ雪だ〜!」
今日は早起きした姫雪が雪に興奮している。今日の夜は奈良に行くのだが、大丈夫だろうか。奈良の方が雪がかなり積もってそうだ。
「さて、ごはんをつくろうか。」
「うん!」



「間違っても、新聞記者をちぎって投げ飛ばしちゃだめよ?」
メリーがよくわからないことを忠告する。
「・・・そんなことするわけないよ。ちゃんと手加減はするからさ。いざとなったら波長を操って俺を見えなくするし。」
「メリーは心配性だね。まあ、噂では『万事千段の新聞記者を倒した少年!彼はいったい何者なのか!』っていうのが電光石火の如く大学内に広まってるよ。だから新聞記者が来るのは確定事項と言っても過言じゃないね。」
蓮子が言った。・・・確定事項か。いやだな。そして2人は大学の中に入っていった。
「ふう、さて見張り見張り・・・」
『ねえねえ!あなたの名前は!?』
『秘封倶楽部に入ったって本当!?』
『あの万事千段を倒したって本当か!?』
・・・なんか来た。どうしよう。とりあえず。
「『霊撃』」
『きゃあっ!?』
『まぶしっ!?』
威力をかなり弱めて、幻想郷住民誰もが持っているカードを使う。突然の光に驚いてひるんでいるうちに。
“記憶の変化”をいじる。3分ぐらい前の記憶を。そして”波長の変化”。よっぽどのことがない限り、どんなに近い場所にいても俺に気が付かない。
『ん?わ、私は何をやっていたんだっけ?』
『お、俺もいったい何を?』
目の前にいるのに、全く気が付かない。
「今日こそ写真を撮らせていただきますわ!あの子はどこだ〜っ!」
・・・昨日の新聞記者がいる。
「3人も見え無くしておいたからもう出てきてもいいよ。」
「「わ〜い!」」
「外だ〜!」
スキマを開け、3人を出す。俺たちの姿は、メリーと蓮子しか見ることはできない。
「ねえねえ、おひざに乗っていい?」
「ん?いいよ。おいで。」
姫雪が膝に乗る。桜のような淡いピンクの色をした髪からは、ほんのりと金木犀に似た甘い匂いがした。
「あ〜っ!ずる〜い!私は頭に乗る!」
「わ、私は肩に乗る!」
きらちゃんが頭の上に、ほたるちゃんが肩の上に乗った。体がとても暖かく、心地よかった。



「・・・ん。あれ、俺寝てしまったのか。」
どうやらあまりに気持ちが良すぎて寝てしまったようだ。
「くぅ〜・・
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