第五章
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第五章
「だから。いい?」
「ええと。つまりそれって」
「そうよ。あれよ」
またここで顔を赤らめさせてしまった。
「いいわよね。私はいいから」
「じゃあ。僕と」
「・・・・・・来て」
自分から誘う言葉だった。
「このままね」
「うん。それじゃあ」
こうして二人は告白からそのまま入るのだった。あとはもうなし崩しであった。そしてその翌日。真魚はにこにことした顔で皆に対して言っていた。
「もう大成功よ」
「あら、よかったじゃない」
「じゃあ告白受けてくれたのね、仙一君」
「そうよ。もうばっちりよ」
そのにこにことした顔で教室の自分の席で語っていた。周りの席に同じクラスの女の子達が集まりそのうえでその話を聞いていた。
「完全にね。上手くいったわ」
「何か最初聞いた時は何考えてるのよって思ったけれど」
「よかったじゃない」
「恋愛はやっぱり押しよ」
真魚は今度は断言してみせた。
「一に押しで二に押しで」
こう言っていく。
「三と四も押しで五も押しよ」
「普通三と四はないんじゃないの?」
「あんたの場合はあるのね」
「三と四もないよりある方がいいに決まってるじゃない」
これが彼女の主張である。
「だからあるのよ。わかる?」
「そういうものなのね」
「まあ納得できるかしら。あんたらしいし」
「そうね」
皆話を聞いて一応は納得するのであった。
「まあとにかくよ。仙一君ゲットよね」
「やったじゃない」
「有り難う。これから二人の楽しい時間がはじまるのよ」
もうそのことを考えで顔が緩みっぱなしであった。
「さて、今日は何しようかしら」
「こりゃ最後までいったっぽいしね」
「昨日で一気にだったのね」
「それは言わないけれどね」
あえて、ということである。もう言わなくてもわかることではある。
「まあそれでよ」
「ええ、それで?」
「完全にゲットしたのね」
「本当にやっとね」
今までのことを振り返っての言葉でもある。
「色々とあったけれど一気にやったから」
「相変わらず強引だけれど」
「よかったじゃない」
「よかったけれどそれでも」
しかしここで真魚の顔が曇った。
「どうなのかしら。仙一君って」
「どうなのかしらって?」
「まああれなのよ。最後までいったけれど」
「だからよかったじゃない」
「ハッピーエンドで」
皆は彼女の言葉の意味がわからなかった。何を言っているのかさっぱりである。
「だって。子供できたら責任取るっていうのよ」
「えっ!?」
「いきなり?」
「ちゃんとゴムは使ったのに」
顔を真っ赤にしての言葉だった。今の彼女の言葉が何を意味するのかわからない人間はここではいなかった。それも一人もである。
「それでもっていう
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