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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第132話 山賊退治と新たなる展望
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線を向けるが彼女は頭を振り口を開く。

「私は正宗様のご意志に従います」

 冥琳は短く返事をした。この態度に正宗は困った表情になるが、暫く考えた後覚悟を決めたのか口を開く。

「揚州刺史の推挙の件はまかせておけ。麗羽、忠告をしておくことがある。孫家には気をつけろ。大分弱体化していると思うが用心に越したことはない」
「正宗様、ありがとうございます。ご忠告は胸に止めておきます」

 正宗の言葉を聞き麗羽は満面の笑みを浮かべた。次に正宗は桂花は視線に向けた。

「桂花、お前は九江郡と呉郡の大守に相応しい人材を捜せ」
「正宗様、ありがとうございます。ご質問してもよろしいでしょうか?」
「何んだ?」
「九江郡大守の人材ということは分かりますが、何故に呉郡大守を」
「呉郡の港を整備させ、揚州に何かあれば冀州より兵を海上より揚州に送りこむためだ。冀州と揚州の間には二州が股がっているためかなりの距離がある。何かあった場合に呉郡が麗羽の生命線となるだろう。それに美羽達が危機に陥った時にも援軍を送り込む時間を節約できる」
「畏まりました。母の元につきましたら人選を頼んでみます」
「揚州であれば私の実家である盧江周家のほうが都合が良いと思いますが」

 冥琳は正宗と桂花の会話に割り込んできた。桂花は冥琳の提案が面白くない様子だった。

「冥琳は武官を集めてくれないか? 私や麗羽の兵は華北や中原での戦に慣れている。揚州は湿地帯での戦になるため、盧江周家の力を借りるしかないだろう」

 正宗は桂花の表情の変化を見て、冥琳の申し出をやんわりと断り、桂花を立てるように話を進めた。正宗の気配りが功を奏したのか桂花は機嫌を治したようだった。

「正宗様の仰せのままに」

 冥琳は気にした風でもなく返事した。

「正宗様、腕が鳴りますわ! 揚州へ行くのが待ち遠しい」

 正宗は麗羽の様子を心配そうに見ていた。

「冥琳、現在の揚州刺史は陳温で間違い無いか?」
「正宗様、間違いありません。陳温は病に伏していて政務を満足にできない状態だと聞きます。麗羽殿が揚州刺史として下向することは陳温にとって渡りに船でしょう」

 冥琳は眼鏡の右端を指で上げながら返事した。正宗は満足そうに頷く。

「辺境の揚州だ。中央の人間も麗羽の揚州刺史任官に文句を言う可能性があるのは董卓だろうが王司徒のお力を借りるとしよう。王司徒へ借りを作ることは癪だが私達にとって大きな利益にもなる。致し方ないだろう」

 正宗は笑みを浮かべ麗羽達を見た。

「桂花、麗羽の揚州刺史任官の件とは関係ないことだが忠告がある」
「正宗様、何でしょうか?」
「先程、異民族のことを『蛮族』と言っていたが、彼らを蛮族と蔑み弾圧していては余計な争いを生むだけだ。異
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