第十五話
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イルマside
私は不動悠斗准将の執務室で、不動准将とシーマ・ガラハウ中佐と共に執務を行っています。国連安全保障理事会でメビウスの独立指揮権が4月1日付けで新たに与えられてから、今までより遥かに多い量の書類が不動准将の元に来ます。
「しかし、凄い量の書類ですね」
不動准将の机の上は書類の山が出来ていて、顔が全く見えない。
「仕方ないさ。ハマーン事務総長に骨を折ってもらったんだからな。覚悟はしていたんだが、これ程とわな」
手を動かしなから答えてくれる不動准将。
不動准将の左側が私が仕事をする机があり、右側の机でシーマ中佐が仕事を手伝っている。
「悠斗。この事案はどうするんだい?」
「うん?どれどれ」
シーマ中佐から、書類を渡され確認する不動准将。普段の仕事量なら、真剣な横顔を見れるのだけど、ここ最近は書類の山があるせいで見ていない。
私の仕事中の数少ない楽しみなのにな。
「この事案は、エリオット・レム中佐に廻してくれ。彼の開発中の兵器に関するものだからな」
「分かったよ。なら、部下に届けさせるよ」
そう言って、シーマ中佐は電話機に手を伸ばし電話をかける。
「ああ、コッセル。あたしだよ。悠斗の執務室にきな。なに?そんな事、後にしな。さっさときなよ!いいね!」
そう言って、受話器を置く。また、別の書類に目を通すシーマ中佐。
しばらくすると、何やら大きな足音が聞こえてきた。
「失礼します!デトローフ・コッセル大尉であります!シーマ様に呼び出されて出頭しました」
中に入ってきたコッセル大尉が敬礼して、不動准将を見る。
「ご苦労様だな、大尉。シーマ中佐は隣に居るぞ」
「コッセル!此方だよ!早くきな」
「シーマ様。なにようですかい?」
シーマ中佐の席に向かうコッセル大尉。書類の間からシーマ中佐が見える。
「この書類を、エリオット・レム中佐に届けておくれ」
「え?この山の様な書類ですか?」
コッセル大尉が、戸惑うのも分かる。私やシーマ中佐は不動准将に比べればかなり少ないが、それでも少しは山になっているのだから。
「そうだよ。その右の山の上から中央位までの、赤色の書類だよ」
「はあ〜。分かりやした。エリオット・レム中佐に届ければ良いんですね?」
「そうだよ。コッセル頼んだよ」
「頼まれました。シーマ様!じゃあ持っていきます。悠斗の若旦那、シーマ様をよろしくお願いします」
「コッセル!なに言ってるのさ!」
「じゃあ、失礼しました」
言われた書類を持って、逃げていく様に部屋を出ていったコッセル大尉。おそらく、不動准将は分かっていないだろう。
「コッセル大尉は、何を言っていたんだ?全く聞いて
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