第十四話
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今は国連事務総長の私設部隊に成り下がっている有り様です。ならば、いっそのこと解散させたらどうでしょうか?」
私の方を見て、ニヤリと笑うアメリカ代表。
(俗物め!その薄汚い眼を此方にむけるな)
「幾らなんでも、横暴ですぞ!メビウスが居たおかげで、助かった国々や作戦は沢山ある。また、民間会社を立ち上げ、商売をしたり難民キャンプに炊き出しをしたり、孤児を育てたりしている。メビウスに感謝すれど、恩を仇で返す理由はない!」
ドン!
机を叩く日本代表。頭に血が昇っているのか、語尾が荒くなっている。
「確かに、日本代表の言う通りだな。我がフランスはスエズ運河防衛戦で、メビウスには返せない程の大恩がある」
「そうですな。フランス代表の申す通り、イギリスも大恩があります。女王陛下直々に、勲章を与えた不動悠斗准将には、寧ろ事務総長直轄独立部隊で動いて欲しい」
欧州の覇者の2国も、日本に賛成を示す。
「我等統一中華戦線も、不動悠斗准将率いるメビウスには、何度も助けて頂いた。先の光州作戦にも、参加して民間人救出に多大な影響を与えたのは記憶に新しい。ならばこそ、事務総長直轄独立部隊にしておいて、世界中で戦ってもらう方が人類の為にもなる。寧ろ解散させようなら、世論が我々を許さないだろう」
「中国の仰る通りだ。我等が偉大なるソビエトは、メビウスの事務総長直轄独立部隊であることを歓迎する」
統一中華戦線、ソ連も賛成に廻る。アメリカ代表が私を睨んでくるが関係ない。メビウスがやって来た事を考慮しない、アメリカ代表が悪い。自国が戦火に巻き込まれていない国では、前線各国の気持ちなど分かるはずも無い。
「私は、不動悠斗准将にメビウスを率いてもらい、独立部隊として戦ってもらう方が良いですな。寧ろ独立権限を彼に返さなければなりません」
奴は今迄持っていた、独立指揮権を私に返還した。しかし、今の私にはメビウスを効率良く運用出来ない。ならば、再び悠斗に渡して動いてもらう方が良い結果に繋がる。苦虫を噛み潰した様な顔で、私を睨んでくるアメリカ代表。貴様らに悠斗の持つ技術をくれてやるものか!
「だが、技術を独占するのは困る!せめて、技術位は各国に還元すべきだ!」
各国代表も、アメリカ代表の意見に頷く。どの国とて、メビウスの技術は欲しい。だが、敵に廻すのは危険過ぎるから味方でいる。
(どの国の代表達も、自国の事しか考えていない、俗物ばかりめ!だが、此れはチャンスだな。独立指揮権を悠斗に返す為にも、少し位の技術協力をさせるべきか)
頭をフル回転させて、悠斗に損害が出ない案を考える。アラスカで行われる予定になっている、プロミネンス計画に参加させる様にすれば、問題無いだろう。上手く行けば、他にも何個か権限を勝ち取れるはず
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