第十四話
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ハマーンside
私はニューヨークの国連本部の執務室にいる。
此れから行われる会議に出席しなければならない。机の上に置いてある資料を取る。今日行われる会議の議案だ。
「まったく。自国の利益しか考えられない連中め」
議案を見ると、最初の議案にこう書かれている。国連事務総長直轄部隊メビウスの扱いについて。そう、紙に書いてある。
「軍事参謀委員会の連中は、余程グズしか居ないのだな」
委員会の連中は不動悠斗准将がキレたらどのように動くか、全く理解出来ていないようだな。
「あいつに不可能は無いからな」
コロニーレーザーによる地球攻撃、コロニー落としアクシズを地球に落とす事など、簡単に出来るのだからな。
「なんにせよ、メビウス解散だけは回避しなければならないな」
もし、強制的に解散なんかさせようものなら、人類の滅亡は確定するな。 あの男は他人の手の内で動く奴では無い。寧ろ相手を絶望のどん底に叩き込むだろうな。
コンコンコン!
ドアがノックされる。
「開いているぞ」
「失礼します。ハマーン事務総長。軍事参謀委員会の会議の時間です」
「分かった。今行く」
秘書官の男が、入って来て会議の時間だと告げる。私は机の上の資料を持って部屋を出る。
暫く歩くと、軍事参謀委員会の会議室に着く。ドアをノックして入室する。
「おはようございます、ハマーン事務総長」
「おはようございます、アメリカ代表」
部屋に入ると、私以外の各国代表が円卓の席についていた。挨拶を返して空いている席に座る。
座る途中に各国代表と、挨拶を交わす。
今回の会議に出席しているのは、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、統一中華戦線、日本帝国、オーストラリア代表達を合わせて8人だ。
「さて、諸君。朝早くから集まって持って済まない。今日集まってもらったのは資料にも書いてある通り、現在事務総長直轄部隊になっている、メビウスの処遇についてだ」
司会役のアメリカ代表が、挨拶もそこそこに議題を出してきた。
「各国代表もご存知の通り、現在このメビウスと言う組織は、事務総長直轄部隊になっています。しかし、バンクーバー協定よって、成り立つ国連軍の定義では、メビウスは何処にも当てはまらないではありませんか?」
「確かに、当てはまっていないが、元々は独立試験部隊のはずだが?」
「そうですな。アメリカ代表の言い分も分かりますが、イギリス代表の言う通り独立部隊でした。今は、独立権限を返還して、事務総長直轄部隊になっているだけですね」
アメリカ代表の発言に対し、各国代表が発言をする。また、難癖をつけてきたな。
(アメリカめ、俗物のくせに何を考えている?)
「そうですな。ですが、
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