第十二話
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とみたらし団子をください」
「分かりました。唯依は今日は雨宮さんとじゃなくて、彼氏と一緒なのね」
「ち、違います!彼は幼なじみです」
「あら?そうなの?彼の方を見ているから、てっきり彼氏かと思ったわ」
確かに、悠君が彼氏なら凄く嬉しくのだか、残念なことに私は幼なじみとしか、見られていない気がする。確かに彼の側に居ても、不思議ではないが一人の女としては悲しいな。悠君は、顔はカッコいいし、性格は優しい。家柄だって、名家の生まれだし、軍人としては二十歳と言うのに准将という地位にいる。衛士としての腕前も一流である。しかも、本人はそんなことを鼻に掛けることなく、プライベートであれば普通に誰とでも接してくれるのだから凄いのだ。
「唯依。貴女本気で狙っているなら、自分から積極的にいかないと駄目よ。多分彼はものすごい鈍感だから。ちょっとのアプローチじゃ気づかないはずだから」
「ちょっと!みらいさん!なに言ってるんですか!」
顔が熱くなる。多分赤くなっているだろう。
「まあ、私は応援してるから、頑張ってね」
そう言って、みらいさんは奧に消えて行った。
悠君を見ると、目を瞑って何か考えているのだろう。少し難しい顔をしていた。彼は同い年なのに、准将まで上り詰めた英傑だ。
休みと言えど、頭の中は忙しいんだろう。みらいさんに言われた事を、考えてみる。私は悠君と一緒に居たい。昔は当たり前の様に、一緒だったけど、彼が居なくなってからは、何もかもが変わってしまった。
一緒に居るのが当たり前だったから、居なくなってから、彼が私の心の中にこんなにも、大きく占めていたことに気づいた。
(そうよ。もう一度失うなんて、嫌!なら、もう少しだけ自分の心に、素直になろう!)
もう一度決心しなおす。後悔は後で幾らでも出来る。なら、全力で頑張って行こう。そう誓った。
唯依sideout
悠斗side
うーん。あの店員さんが誰なのか、未だに思い出せない。誰かに似ているんだけどな〜等と、下らない事を考えていると店員さんがやって来た。
「お待たせしました。餡蜜とみたらし団子になります。ごゆっくりどうぞ」
そう言って、店員さんは奥に去っていった。
「来たな。とりあえず食べようか」
「そうですね。頂きましょう」
みたらし団子を取り、口に運ぶ。甘い餡と団子のモチモチとした食感が最高だ。
「団子は、美味いな」
「そうでしょう。餡蜜も沢山の果物が入っていて、美味しいですよ」
美味しそうに、餡蜜を食べる唯依ちゃん。幸せそうな表情で食べているので、つい撫でてしまった。
「あの、悠君何で撫でるんですか?」
「うん?唯依ちゃんが、可愛いかったから」
何
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