第十二章 妖精達の休日
第四話 見よ! あれが浴場の灯だ!
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ため仕事はあってないようなものであった。だから、騎士隊の副隊長の仕事もないと言ってもいいだろう。
だから副隊長であるセイバーは考えた。
何か仕事はないか?
考え抜いたセイバーが閃いた仕事―――それは訓練であった。
それも実戦的な訓練だ。
それから毎日のようにセイバー対ギーシュたち四人の模擬戦は行われることになった。しかし、士郎が鍛えたとは言え学院の生徒四人が伝説の騎士王を相手にするには戦力が足りなさ過ぎる。模擬戦が始まり三十分後―――倒れ伏し呼吸が停止したギーシュたちの心肺蘇生をする士郎を見たセイバーはその事に遅まきながら気付いた。
そこでセイバーは考え―――思いついた……思いついてしまった。
『ああ、そう言えば丁度良いのがいましたね』と。
その丁度良いのとは、魔法学院正門の向こうのいる空中装甲騎士団であった。
タイミングも良い事に、セイバーはクンデホルフ大公国のお姫様であるベアトリスから、先日のお詫びとして風竜の一体を送られていた。セイバーはその風竜に“スタリオン”と言うかつての愛馬の名を与えると、暇が出来れば空を飛ぶようになったのだが。やはり飛ぶだけでは騎士であるセイバーは少し物足りなく感じていた。
だからセイバーは直ぐさま嬉々としてベアトリスに空中装甲騎士団との合同訓練を提案することにした。セイバーのファンと言うか信奉者であるベアトリスが断る筈もなく、無事セイバーは許可を得た。
主人であるベアトリスから水精霊騎士隊との合同訓練を命じられた空中装甲騎士団は、素人に竜の扱いで負けたという汚名を返上しようと奮起していたが、そんなものは実際に訓練が始まると一瞬にして崩れ去ることになった。
セイバー(竜有)対水精霊騎士隊&空中装甲騎士団(竜有)の模擬戦の結果は、それなりに時間は掛かったがやはりと言うか順当と言うか……セイバーの圧勝で終わった。ギーシュたちと空中装甲騎士団は身も心もボロボロとなり、もう二度とこんな模擬戦などやらないぞと誓ったのだが。えらくこの模擬戦が気に入ったセイバーが、連日同じメンバーで模擬戦を行うようになり。結果、たまにならともかく毎日のように行われる模擬戦に、ギーシュたちは精神も肉体も限界まで追い詰められることになったのである。
色々な意味で崖っぷちに陥ったギーシュたちと空中装甲騎士団は、何とかこの現状から脱しようとした。それはもう色々とやった。夜討ち朝駆けは勿論、落とし穴やら騙し討ちやら様々な仕掛けをするもその尽くが失敗に終わり、お約束のごとく最後にはセイバーから蹂躙されると言う日々が続いた。
男たちはどんな
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