第12話:おはなみに行こう!−3
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わたしにとってはここは非日常なんだね」
なのははわずかに目を細めると抑え気味な口調で言う。
そんな彼女の視線の先に銀色の長い髪をした女性が歩いて来るのが見えた。
「おっ? ありゃチンクだな。 そういえば、今日はアイツが当直番か」
「そうなんだ。 おーい、チンクちゃーん!」
なのはが大きく手を振りながらチンクに向かって呼び掛けると、
チンクの方も軽く手をあげて歩みを少し早くする。
そして、2人の前まで来るとチンクは足を止めて2人の顔を見上げた。
「久しぶりだな、なのは」
「そうだね。 元気だった?」
「まあ元気だ。 お前の旦那にはこき使われているが」
チンクは肩をすくめてそう言うと、ゲオルグの方にジト目を向けた。
「にゃはは・・・ごめんねぇ」
困ったような表情を浮かべながら笑うなのはに対して
ゲオルグは不機嫌さを前面に押し出して、むくれた表情を見せる。
「しょうがないだろ。 チンクはデキるヤツなんだから」
「それとほぼおんなじセリフをはやてちゃんに言われて、
ものすごーく怒ってたのはどこの誰だったかなぁ?」
「うぐっ・・・」
にやにやと笑いながら僅かな嫌みを取り混ぜつつなのはが発した
機動6課時代の出来事を掘り返す言葉に、ゲオルグは苦々しげな表情を
浮かべながら喉の奥から絞り出したような声をあげた。
「悪い。 今度の増員でもう少し楽になるはずだから・・・な?」
チンクの方を窺いながらゲオルグがそう言うと、チンクは再び肩をすくめて
苦笑してみせる。
「判っているさ。 ただちょっと駄々をこねてみただけだ」
冗談めかした口調でそう言うと、チンクはくるりと振り返って
隊舎の方へと歩き出した。
「時間ができたらあとで少し顔を出す。 妹たちも来ることだしな」
「うん、待ってるね」
「ああ」
なのはの言葉に片手をあげて答えると、チンクはそのまま隊舎の方へと姿を消した。
その背中が見えなくなったところで、ゲオルグは大きく息を吐いた。
「はあ・・・やれやれだな」
ホッとした表情で呟くゲオルグの顔を、ニヤニヤと笑うなのはが見上げていた。
「ゲオルグくんってさあ、チンクちゃんには弱いよねぇ。 ホント」
「そんなことは・・・」
「ない? ほんとにぃ〜?」
両手を後ろで組み、その豊かな胸を突き出すようにしながら
なのはがゲオルグの目をじっと見つめる。
ゲオルグもなのはの目を真剣な顔で見返していたが、しばらくして
スッと目をそらすと大きなため息をついた。
「ま、確かにチンクには頭が上がらないよ。
アイツがいなきゃウチの隊務はとたんに滞るだろうからな。
それに、アイツを怒らすとスゲェ
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