第188話 KOGUREとNANAYO
[13/13]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
る白いロングコートの右ポケットから掌サイズの黒いリモコンを取り出した。リモコンには赤いボタンが1つあるだけの至ってシンプルなデザインのリモコンだった。
ジョ「(なかなかの傑作品だったんじゃがな・・・)」
どこか悲しそうな目で赤いボタンを見つめる。そしてゆっくりと目を閉じ、またゆっくりと目を開けると躊躇なく赤いボタンを押した。
ジョ「(さらばじゃ。KOGURE、NANAYO。)」
戦いを終えたナツとリョウはうつ伏せに倒れているコグレとナナヨに視線を移す。
リョウは1本ずつ聖剣を鞘に戻しながら、
リョ「やっと、終わったな・・・」
ナ「・・・あぁ。」
ナツの返答を聞き、最後の1本を鞘に戻したリョウはそこで力尽きたようにガクンと膝から崩れ落ちるように気を失った。
ナ「お、おいリョウ!」
慌ててナツがリョウの体を支えたその時―――――、
『KOGURE、NANAYOノ爆発マデ、後30秒』
ナ「!?」
機械のような女の声が聞こえた。ナツは振向くが誰もいない。
ナ「な・・何だよっ、爆発って・・・?」
コ「言葉通りの意味だ・・・」
ナナ「私達と戦って、言語の意味が分からなくなったのかしら・・・?」
ナ「!」
ナツが戸惑っていると、気を失っていたはずのコグレとナナヨがゴロンと仰向けになりながら言った。ナツは驚きのあまり言葉を失った。
コ「妖精の尻尾の最強チームの人間を殺せなかったら、爆発するっていうお約束なんだ。」
ナ「・・・な、何だよ・・それ・・・・」
『爆発マデ、後15秒』
ナナ「ここにいたら、アンタも爆発に巻き込まれるわよ。聖十のリョウを連れて、早くここから離れて。」
『爆発マデ、後10秒』
ナ「で・・でも・・・」
コ「早くしろっ!死にてぇのかお前はぁっ!?」
『7・・6・・』
戸惑うナツだったが、気を失ったリョウを背中に背負うと足早にコグレとナナヨから遠ざかった。
コ「・・・それで良い。」
ナナ「ゴメンね・・・」
最後に、コグレとナナヨの声が聞こえたような気がしたのは気のせいだったと信じたい。
『3・・2・・1・・・』
カウントダウンが終わったと同時に、ドガァァァァァン!と凄まじい音と灼熱の炎を上げて爆発した。幸い、ナツが逃げたところには爆発の被害は来なかったが、小さな瓦礫の破片が飛んで来たりした。
ナ「っ〜・・・!」
ナツは歯を噛み締め、目が潤んでくるのを必死に抑えた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ