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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
乙 L
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ですら知らない頭痛の正体。ヤシロは自身が破滅という存在であるがゆえに、それが本人の破滅へと向かう要因であることを理解してしまった。

《あれ、基本影響は無いに等しいんだけど、たまにお兄さん無茶して使うからな〜。》

ヤシロはそう思いながら、しかしその正体を一輝に伝えていない。
伝えたところで一輝がそれを使うのは間違いなく、かと言って破滅(それ)を取り除く手段があるわけでもない。
変に心配させるくらいなら、という考えのもと、ヤシロは一輝のことを心配しながらもそれを心のうちにしまっている。

「ヤシロ!私たちも料理始めるわよ!」
「私が指示を出しますので、手伝ってください!」
「あ、うんっ!すぐに行くね〜!」

《たぶん、元の世界にいる間はあのギフトをあそこまで行使することはなかった。だからこそ与えられたんだろうけど・・・箱庭では、使う頻度も増してるし、それが原因なのかな〜》

ヤシロはそんなことを考えながら、調理台についた二人の元へと向かった。
限りなく正解に近い思考を走らせながら。



 ========



「えっと・・・あの七人ミサキが言ってたのってこの辺りだっけ?」
「それで合っていると思います。とてもそれらしき建物ですし。」

二人の目の前にあるのは、雰囲気が病院のような建物。と言っても、肝試しに使えそうな、という言葉が頭につくのだが。

「ま、そうだよな・・・それにしても、ずいぶんと大物が出てきたよな〜。あれは驚いた。」
「確かに驚きましたが、同時に納得も出来ました。あれほどの存在であれば、神格の一つや二つ、簡単に渡せるでしょうし。七人全員に神格が宿っていたのも納得できます。」
「いや、あれは一つの神格を共用してたんだろ。七人で一つの存在なんだし。」

そう言いながら建物に進む二人の後ろには、様々な病魔の化身が転がっていた。
この建物に来るまでに相手にしたのだが、いかんせん神格を宿していても二人の相手にはならなかった。
そもそも、一輝には病魔なんて放っても自らの免疫能力を操る事で治してしまうし、スレイブは基本人間の姿ではあるものの本質は剣。無機物相手に放つ病魔ほど無駄なものはない。

「さて、最後の相手くらいは手ごたえがあるといいんだけど・・・」
「相手は()です。これまでの有象無象とは比べ物にならない実力があるかと。」
「だよな。・・・んじゃ、派手に始めるとするか。」

一輝がそう言いながらスレイブの手を握ると、スレイブはすぐに剣の姿に変わる。
鞘を腰に固定してから抜刀し、刀身に呪力を纏わせていく。

『今回はこちらなのですか?』
「ああ。とりあえず、妖力よりもこっちからやってみる。」
『了解しました。すぐに順応します。』

スレイブのその発
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