第2話 なんていう悪辣な
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「そんな目にあうわけないでしょう」
「まあ、そういうことも考えておくのが、魔法衛士隊でならったことでね。ないにこしたことはないね」
「そうね。その他に特技ってあるのかしら?」
「そこに水魔法の実験設備があるだろう」
「ええ、それが何かしら?」
「俺も、水魔法で魔法薬の実験をしているので、一緒にできれば、効率が良いんじゃないのかなっと思ってさ」
「……興味はあるけれど、一緒の部屋に二人きりって、彼氏に誤解されたら困るわね」
「彼氏がいるのか。護衛というのも、部屋の前で行うのか?」
「そこまで気にしなくてもよいわよ。魔法学院から外出する時、護衛をしてもらうぐらいで」
「それはまた、普段は暇になりそうだな」
「そうそう。明日からの1週間は、授業に一緒に出てちょうだい」
「うん? なぜ?」
「使い魔をお披露目するのよ。その間は、近くにいてね」
「了解。その他の事項は?」
「特に今はないけれど、思いついたら伝えるわね。こちらからはそれぐらいだけど、貴方からは何かあるかしら?」
「これから、貴女の方はなんて呼べばよろしいのでしょうか。たとえば、ご主人様?」
「ご主人様ねぇ……魔法学院の雰囲気にあわないから、モンモランシ―でかまわないわよ。そのかわり、貴方のこともジャックと呼んであげる。ジャックといえば他にもいるから、二つ名を教えてちょうだい」
「俺の二つ名は『流水』です。モンモランシ―は?」
「『香水』よ。他になければ、もう、もどっていいわよ」
「俺も一緒に授業にでるんですよね。明朝はどうしたらよろしいですか?」
「そうね。『アルヴィーズの食堂』の入り口ぐらいでも待っていて。場所はその辺にいるメイドにでも聞けばわかるでしょう」
「わかりました。それでは、また明日よろしくお願いいたします」
「おやすみ」
「おやすみなさいませ」
俺は、来客用の部屋にもどったところで、魔法衛士隊からの手紙がきていることに気がついた。中身は『魔法衛士隊の騎士見習いの資格停止と、再申請する場合には再審査がある』との趣旨の内容だ。騎士見習いからはずされたのを、体裁よく書いたものだろう。
少々覚悟していたとはいえ、長年狙っていただけにぐっとくるものがある。
翌朝、来客用の部屋からでた俺は「メイドなんていないじゃないか」とつぶやきながら、学生寮の方へ歩いていくと、学生寮から移動していくのが同じ方向なので、そこが『アルヴィーズの食堂』なのだろうと思っていくとビンゴ。
入り口で、モンモランシ―を待っていると生徒たちが、俺をみてクスクス笑いながら食堂にはいっていく。「ああ、間抜けな貴族が、使い魔として召喚されたんだろうなぁ」と考えているんだろ
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