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美味しいオムライス
第二章
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くして。亜紀が仕事で取引先の会社に行っていると。そこである男と出会ったのだった。
「はじめまして」
 背が低く髪の毛の薄い男だった。鼻は低く目元も緩い。しかも歳は喰っていてスーツに何か地味だ。所謂不細工と言ってもいい外見の男が出て来たのだった。
「泉水と申します」
「泉水さんですか」
「はい、今回からそちらの担当になりまして」
 にこにこと答える。その顔もまたあまりいいものではなかった。
「よろしく御願いします」
「はい。若槻と申します」
 亜紀も彼に応えて自分の名を名乗った。
「これから宜しく御願いします」
「はい、どうぞ宜しく」
 まずは静かな挨拶からだった。それから仕事の話になる。まずは当たり障りのない仕事の話ではじまってそれで終わった。仕事が終わると。亜紀は自分の会社に戻った。するとこの前うどん屋で話をしていたあの女友達が彼女に声をかけてきた。見れば亜紀と同じピンクのスカートにベストの制服を着ている。しかしそれを着るそれぞれの印象は全く違っていた。同じ服を着ているとは到底思えない程であった。

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