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Myth10-A嵐の前の安穏~エリーゼ狂想曲
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て来た。

「え、ええ、うん、まぁそんなところかな」

「そうなんだ。ふ~ん・・・・」

お願い、ヴィータ。ついて行きたいって言わないで。心の内で必死に願う。すると「いってらっしゃい。もうお腹が空いて倒れそうだから帰るよ」とお腹を鳴らしたヴィータが屋敷を見る。シグナムさんも「確かに空腹だな。筋の良い者が多いからつい熱中してしまう」と微苦笑。
その事で倒れる住民続出なんだけど、美人なシグナムさんや、口が少し悪いけど憎めないどころか可愛らしく思えるヴィータ、寡黙だけど優しいザフィーラに鍛えてもらえるという事で、退場者は今のところ1人も居ない。そして今は人型のザフィーラはやっぱり無言で一礼だった。うん、礼儀も正しい人だ。

「そっか。じゃあ行ってくるよ」

「はい。いってらっしゃいませ。オーディン、エリーゼ卿」

「いってらっしゃいませ。我が主、エリーゼ卿」

「いってきま~~すッ♪」

気持ち良く見送ってくれたシグナムさん達に感謝しながら、改めてシュテルネンリヒトを目指す。さて。以前までなら街中を歩いていると、騎士様とデートかい?とか、羨ましいなぁエリーゼ、だとか、恋人関係のように茶化されて困って、でも本音はすごく嬉しかったっていうのが多くあった。

「お、エリーゼちゃん。先生と久しぶりにお買い物かい? よかったね~」

「ありゃ? 先生、今日はエリーゼと一緒なんだ。妹ばかりに構ってると恋人たちに愛想つかれちゃうよ」

・・・なんだそれ。わたし妹じゃないよッ、あとオーディンさんに恋人いないよッ! ほら、腕に抱きついて恋人みたいでしょッ! だと言うのに、向けられる視線は温かく優しいもので、完っっ全に兄に甘える背伸びした妹としてしか見られてない。
とここでオーディンさんが「プッ」噴き出して笑いだす。わけが判らず「え? え?」って慌てていると、「百面相してるぞエリーゼ。あはは、可愛い」なんてまたもや不意打ち。ボッと顔が熱くなる。可愛い、なんて初めて男の人に言われた・・・・・・と思う。結局、このあとシュテルネンリヒトに着くまでわたしは、まともにオーディンさんの顔を見れなかった。

「お? エリーゼちゃん、社長(ディレクトア)・オーディン、いらっしゃいませ~?」

シュテルネンリヒトの店主、ターニャが元気よく出迎えてくれた。真っ先にオーディンさんに駆け寄って来て「新作のデザイン出来たんですか?」って期待の眼差しを向けた。オーディンさんのデザインした服の第一号はまずシュテルネンリヒトでターニャや時々オーディンさんによって作られる。
そこからシュトゥラ王都ヴィレハイムに数着送られて、複製されてシュトゥラ全土の服飾店に回される。オーディンさんのデザインした服の大ファンは、オリジナルが売られるここアムルにまで来ることもあ
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