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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth10-A嵐の前の安穏〜エリーゼ狂想曲
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「今から少しお出かけしましょうッ!」
オーディンさんは「・・・よし。じゃあ行こう」少し考えた仕草の後、わたしに手を差し伸べてくれた。そっとオーディンさんの手に自分の手を置く。これだけでもうドキドキだ。
「まずはアンナに報せておかないと駄目だな」
屋敷に向かおうとするオーディンさんに「わたしが思念通話で言っておきますッ」と告げる。いま屋敷に入ると絶対にアギトがついて来る。アギトの事は大好きだけど、ずっとオーディンさんにベッタリだから、たまにはちょっと離れてほしいかな。
「わざわざ魔導を使うの――」
「良いんですッ。魔導つかうの大好きッ☆」
「そ、そうか・・・」
必死過ぎてオーディンさんにおかしな娘だって思われるかも。で、でも今はとにかく誰の邪魔も受けずにオーディンさんとお出かけしたい。だから多少の犠牲は仕方ない。うん、そこはもう代償として諦めよう。
『アンナ。状況を見てくれていればわたしの言いたい事、解ってくれるよね?』
『はぁ〜〜〜。本当なら止めて仕事に専念するように言うべきなんだろうけど。いってらっしゃい。エリーも1人の女の子だし、幼馴染の恋くらい応援してあげたいわ。アギトや皆さん、それとモニカの事は私とルファに任せて、気分を晴らしてきなさい』
「『ありがとうッ、アンナ♪』オーディンさん、アンナに許可を貰いました。ではでは早速参りましょう?」
オーディンさんの左腕に抱きつきつつ正門を目指すために歩きだす。屋敷に目をやりながら「随分とあっさり許可を出したなぁ」と呟くオーディンさん。「そういう日もありますよ♪」ってわたしはオーディンさんの腕を引っ張ってひたすら歩く。
オーディンさんはわたしよりずっと身長が高い。たぶん180cmちょっと過ぎくらい。わたしは154cmくらいだから、「エリーゼ。ちょっ、転びそうだ」オーディンさんは前屈みになってしまう。でも今は一刻も早く屋敷から脱出しないといけないから、少しの間だけ我慢してもらおう。
無事に正門から出て、名残惜しいけどオーディンさんの腕を解放して、距離を取りながら「シュテルネンリヒトに寄ってもいいですか?」と尋ねる。
「どこへでもどうぞ。時間が許す限りエリーゼと付き合うよ」
男の人であるのにとても綺麗な笑みを浮かべるオーディンさんが見せた不意打ち。気恥かしさについ顔を逸らして俯いてしまう。ど、どうしよう。せっかく2人きり・・・
「オーディンとエリーゼ卿・・・・?」
じゃなくなっちゃった(涙)。振り返ってみれば、訓練教室を終えて帰って来たシグナムさん達が居た。シグナムさんとヴィータ、そしてザフィーラは騎士としての心構えや戦い方を、希望者に教える教室を開いてる。ヴィータが「オーディンとエリーゼさんはこれから買い物?」と駆け寄っ
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