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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth10-A嵐の前の安穏〜エリーゼ狂想曲
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いいの?
ただ「わたしは迷惑だなんて一度も思った事ありませんから」ってきっぱり告げる。「・・・ありがとう、エリーゼ」そう微笑んでくれるオーディンさんにはどう言えばいいのかなぁ。

「悩みは個人的なもので、シュリエルさんは切っ掛けに過ぎません。もちろん悪い意味ではないですからお気遣いなく、です」

「そうなのか・・・。でもなにか相談事があれば何でも言ってほしい。力になるから」

オーディンさんが「そろそろ失礼するよ。仕事の邪魔は出来ないからね。食器類はまた取りに来るから」と立ち上がって去ろうとするのを、「待ってくださいッ」呼び止める。呼び止めちゃった。どうするというの、わたしは。もうちょっとだけ話がしたい。うん、素直にそう言えば良いんだ。だから「あの、もう少しお付き合いしてもらっていいですか?」ってお願いしてみる。

「もちろん構わないけど、いいのか? 結構書類が溜まっているようだけど・・・・」

「こんなの本気を出せば一気に終わらせる事が出来ますよ。気分転換せずにいる方が余計に滞ります」

端に寄せた書類の束をバシバシ叩く。気分が昂っていれば、こんなのサクッと終わらせられる。そのために、わたしはまだまだオーディンさんと2人きりの時間を過ごしたい。

「それは解るよ。急ぎの用でもぶっ通しでいると余計に遅れるんだよなぁ〜」

「そう、それですッ。今のわたしは正にその状態なんですッ」

「そっか。ならもう少しお付き合いしよう。ミルクティーのお代りはどう?」

「はいっ、頂きますッ♪」

し、幸せだぁ〜♪ でもすぐにハッとして気付く。気配が近づいて来てる。今のわたしは高性能なお邪魔虫探査システムと化している。わたしとオーディンさんの時間を邪魔しに来る何かが近付いて来ているのが判る。

――警告(ヴァルヌング)――

――警告(ヴァルヌング)――

――警告(ヴァルヌング)――

頭の中に警告音が鳴り響く(気がした)。目だけを動かしてキョロキョロと周囲を警戒。ここ中庭へと入るための扉が開いているのが判る。目を凝らすと、モニカとルファがこちらを覗いているのが見える。ううん、それだけじゃなくてアギトがこちらに飛んで来ようとしているのを、アンナが止めてるのも見えた。
ありがとうだよ、アンナ。「さっきから随分と周りを気にしているようだけど?」とオーディンさんが周囲を見ようとするのを、「む、虫が飛んでいるようで、つい追っちゃいました」って誤魔化す。もう一度扉の方を見ると、誰も居なかった・・・のも束の間、アギトがまた飛んで来ようとして、今度はシャマルさんに止められた。お、落ち着かない。これは逆に疲労が生まれそう。よし、こうなれば・・・。

「オーディンさんッ」

「おおう? どうかしたい・・・?」


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