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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth10-A嵐の前の安穏〜エリーゼ狂想曲
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てきた。服を作ってくれて、それで魅了させるっていう正攻法の話はどこへ行ったんだろう。
「あ、お風呂に一緒に入って、背中を流してあげればきっと・・・・!」
「ターニャ。シャマルさんに頭診てもらおう? ね? その方が良いよ、きっと」
「あぁこれはダメか。エリーゼ、無いし」
「何が無いのか言ってみ? ん? 言ったら言ったで蹴るけど」
残念なものを見るような哀しげな視線を、わたしの体の一部に向けるターニャの脚を蹴る。痛いはずなのにそんな素振りを見せずに「手堅く料理ね、やっぱり、うん」ようやくまともな事を言ってくれた。
「そうだ。好物を訊きに行こう」
ターニャが扉に向かっていく。そしてガチャッと開けた。オーディンさんは店内に居た。「おーい、ディレクトア〜」ターニャが呼び掛けた。ここでわたしは途轍もない失態を犯していることを思いだした。わたしは下着姿のまま。血の気が引いて、けどすぐに血が頭に上る。部屋の奥に行って服を着ないと。
そう思ったのに、未だに解かれていない巻き尺の所為でターニャから離れられない。これも確信しての行動というわけっ!? 「お願い、ターニャ! 服を着させてッ」懇願する。
「ちょっと待って。ディレクトアの様子がおかしいんだけど・・・・」
「服を――へ? オーディンさんが変?」
真っ先に思い浮かんだのが記憶喪失の事だった。ターニャを壁とするようにして覗き見る。オーディンさんは別に苦しんでいなかった。ホッと一安心。「呼び掛けても聞こえていないようなんだよね」って首を傾げるターニャがもう一度「ディレクトア!」って大声で叫ぶけど、オーディンさんは無視。本当に聞こえていない・・・?
ターニャが直接呼びに行くつもりか部屋を出て、オーディンさんの元へ行こうとする。でもそんな事になればわたしは下着姿のままでオーディンさんの目の前に行く事になる。それだけは何としても阻止しないと。そう思って、これ以上ターニャを進ませないように踏ん張ったその直後、オーディンさんが振り返った。
「「「あ」」」
オーディンさんと目が合う。けどすぐにオーディンさんはスッと目を逸らした。な、ななななな何か言ってし、しししし釈明さないと。だけど口から出るのは「あ、あ、あの、あのあの」だけ。頭の中が真っ白になる。目が、顔が、耳が、体が熱い。ポロポロ涙が零れるのが判る。
「あ〜あ、エリーゼったら。下着姿で外に出るなんてはしたないよ?」
「エリーゼ。風邪をひいたらいけないから、早く服を着ような」
「い、い・・・・いやぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああッッ!!」
体を抱いてしゃがみ込み、悲鳴を上げる。それが、今出来る精一杯の行動だった。結局、その日は恥ずかしさの所為でそれ以上オーディン
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