全国10カ所の妖気
東方変形葉39話「清水寺の妖気」
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朝。日が昇るとともに起きるのが習慣となっている。みんなはまだ寝ているようだ。
「・・・護符を用意しておこう。」
カバンから墨と紙を出し、“守護の変化”の護符を書く。これを身に着けておけば、妖怪などに襲われても必ず守られる。さらに、“作用の変化”で、襲った妖怪はしびれるようになっている。・・・ただし、これをつけていると戦う力が出なくなるから、俺はこれをつけない。
さて、朝ごはんを作るか。
「じゃあ、俺は外でここを見張ってるよ。」
大学内のベンチに座る。
「わかったわ。無理はしないでね。」
「そうよ。あ〜あ、今日の講義も疲れるわねえ。」
2人が大学内に入って行った。
ほたるちゃんに、気配の域を大学の敷地内に張ってもらう。これで怪異は絶対に入られない。念のため、大規模な結界を張る。“排除の変化”で、不浄の者を排除する仕組みになっている。
『ねえ見て、あの子が噂の・・・』
『あっ、ほんとだ。秘封倶楽部に入ったらしい子だ。』
『彼も電波系かしら?』
・・・なにやら草陰から声が聞こえる。まあ、あっちは隠れているつもりなんだろうけど。清々しいほどにバレバレだ。
「ちょっとそこのあなた!」
小柄な女性に声をかけられた。ここの大学の生徒のようだが、新聞記者のような感じの雰囲気を出している。
「何か用?」
「あなたを取材したいの。いいかしら?」
面倒だ。気づかず例のことを話してしまってはとてつもなく面倒なことが起きる。新聞記者って、微妙な言葉のあやだって見逃さないからな。
「だめ。ほらあっちいった。」
雑にしっしっと追い払おうとする。しかし、頑なにそばを離れようとしない。
「いいえ、狙った獲物は逃さないのが新聞部の誇りですので!」
知るか、そんなこと。
「だめったらだめ。」
「くっ、だったら勝負をしましょう。」
勝負?
『おい、誰か止めにいかなくていいのか?あんな子供と、あの“万事千段”のあいつが勝負なんてしたら・・・』
草陰で誰かがつぶやいた。・・・ふうん、なるほど。暇つぶしにはいいかな。
「私が挑む勝負で、あなたが勝ち越しなら取材には応じなくていい。だけど、私が勝ち越したら取材に応じてもらう。最初はチャンバラよ!」
ぽんっと竹刀を渡される。
「行くわよ!やあああっ!」
すごい勢いで襲い掛かる。・・・意外だ。妖夢よりは腕はいい。しかし、
「甘いよ。もっとよく相手の動きを見ないと。えいっ」
「あうっ!」
ばしっと気持ちのいい音が響き渡る。
『う、嘘だろ!?あいつが一本取られた!?』
『あの子、何者なの!?』
「うう、まだ2本あるわ!えいやあああああっ!」
「だから甘いっての。ほら、こっち。」
バシッと竹刀の音が響く。
「いたあっ!?」
「2本、とったよ。続ける?」
まあ、いい運動には
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