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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth9そして時代の針は動きだす〜Quo Moriture RuiS〜
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ッ! 共に破壊兵器ではないかッ! 戦船の艦載砲なんて目ではないッ。あんなものを使うほど切迫していないぞッ!」

「切迫していますよ。魔神は正しく魔神。アムルを護ったあの巨像も戦力として数えるとなれば、戦船程度ではもう対抗戦力にはなりえません。ですからエテメンアンキとミナレットの使用を提言したのですが、御父様はお許しになりませんでした。自分が王位に就いている間は、決して両兵器の使用は認めない、と」

バルデュリスに背を向けてテウタがそう告げると、バルデュリスの顔が引きつった。まるで怯えるかのようにテウタの背から少しずつ後ずさって行く。

「父上の体調は確かに悪く、おそらく長くはないと思っていた。しかし・・・今朝の様子を見る限りではまだまだご健勝だった・・・」

「本当に。戦時中にも健勝でした。いきなり容体が急変して驚きました」

「父上の死を確認した第一人者は・・・・誰だ・・・?」

テウタが小さく笑い声を漏らした後、クルリと反転して実兄バルデュリスへと向き直る。そして「私ですよ、お兄様」と答えた。目は笑っていないが、口だけは笑みを浮かべている。それで悟った。バルデュリスの顔に憎悪の色が宿る。先程までの怯えから一転。バルデュリスは「統一戦争に勝つために・・・実の親を殺したのか・・・貴様は・・・!」と構えを見せた。

「だって仕方がないではないですか。私たちはイリュリアの王族ですよ? ベルカは――いえ、レーベンヴェルトは元々私たちイリュリアのものでした。この統一戦争は、レーベンヴェルトを取り戻すための戦い。勝たねば意味はありません。ええ。どんな手段を使ってでも。それがレーベンヴェルト時代より王族であったフリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルトが存在意義」

「テウタ・・・それでも、それでもお前が越えた一線は・・・・悪だッ!」

バルデュリスの左手に一振りの刀、右手には鞘が出現する。テウタは「残念です。御父様を喪ってすぐにお兄様を失う事になるなんて」と悲嘆に暮れている・・・つもりなのだろうが口は笑っているままだった。

「テウタぁぁぁーーーーーーッッ!!」

――斬甲一迅旋――

「あぁよく考えればお兄様は居ても居ずとも変わりませんから、どうでもいいですか」

――夢影――

決着は一瞬。この日、この瞬間。テウタはイリュリア王女ではなくイリュリア女王となった。



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