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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth9そして時代の針は動きだす〜Quo Moriture RuiS〜
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からきっと大変になりますよ」リサが深刻そうに言う。

「どういう事だ?」

「イリュリアは、王子バルデュリスと王女テウタの二大派閥に分かれています。勢力としてはバルデュリス・テウタ、現状6:4と言った割合でしょうか。長男が王位を継ぐという古き習わしに則るべきだと訴えるバルデュリス派。実力と頭脳、味方を作る才の有ると言われているテウタを王位に就かせ、このベルカ統一戦争を一気に終わらせようとするテウタ派」

「じゃあテウタが王位に就くと、今まで以上の戦火が・・・?」

「だと思うよ、アギトちゃん。まぁオーディンさんと皆さんがいるから、容易くシュトゥラは落とされないと思う。でもこれまでとは比べられない程に大きな戦がベルカ各地で起こるはず。とは言え、今はまだゲンティウス王が健在ですから、もう少し先のお話ですけど」

リサは最後に我々を安心させるためか笑顔を見せた。しかしその先が訪れるのが無しになったわけではない。私はアギトとリサに「テウタと言う者の実力の程は?」と尋ねてみる。すると2人は表情を重く曇らせた。それだけで理解できる。無口になってしまうほどに強いのだろう。リサが「3年前に一度だけ見かけました。おそらく私では勝てないかと思います」と、私の目をしっかり見つめ告げた。

「あたしはインストールされてる情報でしかテウタの事は知らないけど、あたし達プロトタイプの融合騎は、テウタ専用の完全な融合騎を開発するための実験機なんだ。テウタがどんな魔導と武技を持ってるかの詳細は判んない。でも融合騎に頼らなくたって掛け値なしの実力者なのは確かだよ」

アギトはアギトで心底心配そうな表情を浮かべ、オーディン達の居る拠点の方を見、しかしすぐに「それでも勝たないとね。守りたいものを守るために」と凛とした表情になり強く頷いた。私も「ああ。救いたいものを救うために、な」と言うと、リサが「なんです? それ」と小首を傾げて訊いて来たので、それに対し「マイスターの信念だよ。あたし達グラオベン・オルデンの由縁なんだ♪」アギトが胸を張って答える。

「なるほど。信念の騎士団グラオベン・オルデンとはそういう事だったんですね」

「うんっ。マイスターはすんごく強いけど、でもその力は何かを支配するためじゃなくて、守りたいものを守るため、救いたいものを救うための力を使いたいって言ってた」

「だから我々はオーディンの下で戦うと決めた。あの方の為ならば、我らは命を賭そう。それだけの覚悟はある」

このベルカ統一戦争はもちろん、オーディン自身の目的である“エグリゴリ”救済を手伝うために、我ら守護騎士ヴォルケンリッターは、グラオベン・オルデンの騎士としてオーディンと共に戦う。だからこそ、まずはイリュリアと決着をつけねばな。

?―?―?―?―?―?

シュトゥ
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