第四話 二
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ルートスーツで、メガネを掛けたどこか知的な雰囲気のある青年になった。
腰にはリボルバーをぶら下げたホルスターが付いており、どこか昔この世界に居た警察を彷彿させる。
「ふーん、そうかな? でも、そっちもかっこいいよー!」
「それは良かった」
「えへへ」
アリスは少し嬉しそうに頬を染めて、両手を後ろに回して身体を少し捩る。
彼はそんなアリスを少し愛らしく思い、彼女に近づいて、頭を撫でた。
「それじゃあ、戻ろう」
「うん!」
ナナシは警戒しながらも、アリスと一緒に仲睦まじく共に以前立ち寄った比較的崩壊していない家へと戻る。
すると、アリスは閉じられた扉を見て「あれ?」っと首を傾げた。
「どうした?」
「わたし、ナナシがきえちゃってあわててあけっぱなしででちゃったとおもうけど……? うーん、しめたのかな?」
「多分意識せず閉じたのだろうが、警戒するに越した事は無いな、後ろに下がってろ」
「う、うん」
「折角だ、この銃を使ってみよう。これで倒せばこの身体の弔いにもなろうからな」
彼はそう本心で言うと、ホルスターのリボルバーを抜く。
そして、それを構えながらゆっくりと扉を開けて中へ入った。
拳銃は構えて対象に狙いを定めて引き金を引くっという一連の動作は知識で分かっているが、実際に使った事は無い。
銃が駄目ならすぐに変身すれば良い。
そう思いつつ、家の中を警戒しつつ探索する。
すると、その時。二階の方で何かの足音がし、ナナシはアリスを背中で庇いつつ階段を上がる。
上り終わり、一つの扉へたどり着くと、ナナシは構えながらゆっくりと開いた。
「誰だ?」
ナナシが問いかけて中を見る。
部屋の中はベッドと本棚と子供机以外ほとんど置いておらず、閑散としており、窓ガラスは若干割れていて風が中に入り込んでいた。
壁もボロボロで埃まみれのこの場所の真ん中に、アリスより幾分年上そうな一人の少女がじっとナナシを見ていた。
少女は絹のような綺麗な銀色の長髪に、血を思わせるような深紅の瞳に真一文字に閉じられている薄い唇、血で汚れているが陶器のような白い肌をしており、服は少し薄汚れている黒いワンピースを着ている。
まるで、人形のような少女だ。
「君はここで何をしている?」
「なにって、未来がここで待てって言った」
「未来?」
「うん、君」
ナナシは君と指をさされ、ようやく自分の姿がその未来だという事が分かった。
ここは、正直な事を言うか、それとも内緒にしておくべきか……
彼はそう思い、チラッとアリスの方へ顔を向ける。
どうやら、アリスはハラハラしながら二人の事の成り行きを見ていて、やがて決心したように話しかけた。
「は、は
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