暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth7災厄撥ねし魂・導き果てぬ絆・希望の守り手〜SchlierlieT〜
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というお話ですけど・・・」

「ええ。私の有する治癒術式の中に、こう言った普通の治療では治せないような障害を治すものがあります。さすがに長年筋肉で腕を動かしていないとの事ですから、一気に治さずに段階を経て完治させましょう」

徐々に馴らしていくのがベストだろう。だと思っていたんだがオリヴィエは「何度も御足労をお掛けするのは心苦しいので、一気にお願いします」と言ってきた。

「無礼を承知で言わせて頂きます。医者は患者の事を最優先で考えます。我々に苦労を掛けるからと言って、その考えを無下にしようとなさらないでください」

これには今まで黙っていたシャマルがそう窘めた。ポカンとするオリヴィエとクラウス。従者たるリサは、シャマルと同じ意見なのか黙ったままだ。

「・・・シャマル先生の仰るとおりですよ、オリヴィエ。焦っては却って悪くなるかもしれません」

「そう、ですね。勝手を言ってごめんなさい。オーディン先生のお話通りで治療を受けます」

胸を撫で下ろしているシャマルに『ありがとう、シャマル』と念話を送る。シャマルは『いえ。王女殿下のお気持ちは解りますけど、でもオーディンさんの考えを否定するような事だけは許せません』と返した。私の事を尊重してくれた、という事で嬉しかったりする。

「ではそう言う事で、段階的に治療します。構いませんか?」

「はいっ、お願いしますっ」

今度はオリヴィエの両手を取って軽く持ち上げる。術式ランクは上級、効果は補助・治癒、使用魔力はS+。魔力炉(システム)を活性化させて魔力解放。「女神の祝福(コード・エイル)」と術式名を告げる。あらゆる異常を正常に回復させる効果のエイル。もちろん、あらゆる異常とは言え死者ばかりは蘇らせないが。
オリヴィエの両腕を包み込むサファイアブルーの魔力。最優先で血管と神経を治癒させるつもりだ。ここでオリヴィエが少し「痛・・・っ」と苦悶の声を小さく漏らした。

「ご辛抱を。ですがこれで御解りかと。少しずつ回復させてもこの痛みです。一気に回復するとこの比ではありませんよ」

「みたい、ですね・・・。ですが、こうもハッキリとした痛みが判るというのは、嬉しい事です」

「オリヴィエ様が嬉しそうれすぅ〜(ボロ泣き)」

苦悶に表情を歪めながらも笑みを浮かべるオリヴィエを見たリサがわんわん泣き始める。シャマルが「よしよし」とリサの頭を撫でた。まるで娘――じゃなかった、妹をあやすようなお姉さんだ。
さて、今回はこの辺りで良いだろう。「今日の治療はここまでです」とエイルを解除して、オリヴィエの両手を彼女の膝の上に戻すと、彼女は「ありがとうございました」とお辞儀。しかしやはりまだ治療を続けてほしい、というような顔をしている。しょうがないな。
まぁ元よりこれで終わりにす
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