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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth7災厄撥ねし魂・導き果てぬ絆・希望の守り手〜SchlierlieT〜
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ですよ、オリヴィエ王女殿下」
「「真理?」」
クラウスとオリヴィエが訊き返してきて、私は頷き返す。
「獣たちは一度の出産で多く子を生み出します。なのに何故世に溢れかえらないのか。答えは簡単です。溢れかえる前に敵の獣たちによって襲われ食料となるからです。食物連鎖。弱き者は強き者の糧となる。自然の摂理ですね。人間も一応組み込まれています。が――」
「人間を――特に私たちのような騎士を喰い殺せるほどの獣なんて早々居ないですよね」
「騎士に限定せずとも人間は知恵がある上武器も使う。ゆえに食物連鎖の頂点と言っても過言ではありません。そうなると一度に産む子の少ない人間であっても、時間を経てば世に溢れかえる。しかし駆逐する敵が居ません。なら、どうするか。ここまで言えば、殿下らも御解りなはずです」
「人間同士での駆逐のし合い・・・・戦争、ですね」
「そう言う事です。人の数だけ主張や正義、願いに望み、様々な思考があります。それを貫き通すには、他の思考を叩き潰して取り込んで従わせるしかない。その果てに起こるのが戦争です。人間同士を潰し合わせ、世界や他の生命を犠牲にしつつ数を減らすシステム」
先の次元世界での契約で死闘を繰り広げた、“霊長の審判者ユースティティア”の先代・終極テルミナスの言葉を思い出す。
――
罪人
(
ニンゲン
)
を護るということ自体がそもそもの間違い。人間という存在がどれだけ罪に塗れた愚かなものか。いつまで経っても争いをやめない、やめようともしない存在。どれだけ根絶やしにして、更生させようと努力しても、やはり争いを始める愚者。抑えようと思えば抑えられる欲で同族たる人間を襲い、奪い、殺める。
その理由が、ただ誰でもいいから殺したかった? 世の中つまらない? ムカついたから? 相手にされなかったから? 金銭が欲しかったから? 何て罪深いことなの。その果てには、赤の他人を殺すどころか、血の繋がった実の親を、子をも殺めるなんてことも増えてきた。
何たる身勝手か!! 愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚かッ!!! その頭脳はそんなくだらないことのため用意されたものじゃない!! 世界をより良い形に持っていく権利を与えられておきながら、自らを生かす自然を破壊し、終には世界を滅ぼすまでに至る! だから護る価値なんて無いッ!――
あの頃は、それに反論したものだ。
――綺麗ごとだと解っているが、それでも私は人間を信じている。テルミナス、お前が挙げた人間は全体の一握りなんだ。確かに人間は罪深い。許されるような軽いものばかりじゃない罪を幾つも、どんな時代でも、どんな世界でも犯す。正直救いようのないことだってある。私も幾度もこの身に味わってきたからな――
――一握り! その一握りが存在する時点で、すでに存在する価値は無いの
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