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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth7災厄撥ねし魂・導き果てぬ絆・希望の守り手〜SchlierlieT〜
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、ごめんなさい。そうではないのです」と微苦笑を浮かべた。

「オーディン先生のお話はクラウスから聴いていまして、その、想像とは違った御姿でしたので。勝手ながら、もう少し険しい御顔や雰囲気をしているかと思っていたのですが、良い意味で裏切られました。美しい銀の長髪に、蒼と紅の虹彩異色。お綺麗過ぎて・・・・驚きです」

「それは最高の褒め言葉ですね。光栄ですよ、王女殿下にそうのように褒めて頂けるとは」

男として可愛いとか綺麗とか言われるのは正直嫌な方だったが、可愛い以外なら素直に受け入れられるようになった。何故ならセインテスト王家の特徴を褒めてもらっていると同じ――つまりゼフィ姉様やシエルも褒められている、と思えるようになったからだ。まぁ軽い現実逃避な気もしたりするが、もうそれで良いと思っている。あははのは。

「オーディン先生は異世界からの渡航者だと伺っていますが。御名前からして、その世界ではそれは名のある一族の御一人なのではないですか?」

「っ・・・・」

その問いに私が黙ってしまった事で、オリヴィエは「踏み入った事を訊いてしまったようですね、ごめんなさい」と僅かばかり泣きそうな顔で謝ってきた事で、それはもう焦る焦る。首を横に振り、「確かに私は、その世界の一国を治める王族の出で、16歳から21歳まで王位に就いていました」と答えた。これにはクラウスとシャマルも驚きを見せた。まさか元とは言え一国の王がこんな事しているのだから。

「今では御覧の通りその世界より離れ、探しモノを見つけるために旅をしているわけですが」

「そうでしたか。よほど重要な事なのですね、その探し物を見つける旅というのは」

「でも判りました。オーディンさんがどうしてベルカを離れなければならないのか。元とは言え一国の王であったあなたはやはり帰らなければならない、残っている家族や民の為に」

「いや、確かに帰らなければならないが、そこにはもう家族も民も居ないんだ。私は最後の王だ。いや、最後の生き残りとでも言うべきか。もう無いんだ、温かく私を迎えてくれる者の居る世界は」

シーンと静まり返る室内。しまった。なんで空気を最悪なものにしているんだ、私は。それに、ただ一人だけだが私の帰りを待っていてくれる家族が居るじゃないか。リサが「あの、お話しを聞かせて頂いても?」と言ったものだからか、オリヴィエが「リサっ」と彼女を窘めた。
私は「ここで終わらせては気になるでしょうから」とオリヴィエを制し、大まかに話す。戦争によって滅び、その後に探しているモノ――“エグリゴリ”によって、家族や仲間や恋人を奪われた事を。

「・・・・何故、戦争というものは起きてしまうのでしょうね・・・?」

オリヴィエが悲嘆に暮れる。

「それが世界が定めてしまった真理だから
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