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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九四幕 「オウゴンジダイ」
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だけどそう思った私をどうか笑わないでほしい。皆、こういったISに邂逅すれば同じ感想を抱くはずだ。それほどに、この黄金の翼は軽く、私の意識の延長線上に当然として存在していたのだから。
「これ、凄い・・・・・・何って言うか、展開した装甲が体に張り付いているって言うか、肉体との境が分からなくなりそうなくらい吸い付いてる・・・本当に私の専用機になっちゃったんだ」
今まで訓練用のラファール・リヴァイブに乗っていた。打鉄にも乗ったことはある。でも、これは異次元だ。専用機と言うのがどういうものか、周囲のみなには聞いたことがあるが、こんなに心地の良いものだったなんて。専用機を得る機会を突っぱねたことを後悔しそうなくらいの別格。
スラスタ無し、踏み込みの加速無しの純粋なPICによる機体移動でこれほどの速度を出せるとは、個人的には驚嘆に値すると思う。既に高度は20メートルを超えた。
これでスラスタを使ったらどうなるんだろう?PIC出力を上げて、ウィングを広げて、もっと地表が小さく見えるくらいに――。
《間もなく所定位置です》
「っとと。所定の座標位置につきましたよ、博士」
『・・・ふぅん。座標位置がずれてたら一発迫撃砲でも当ててやろうかと思ってたけど、成程ただの凡人じゃないわけね。コンマのズレもないよ』
「まぁ佐藤さんですから」
私に少し遅れて箒ちゃんと紅椿が隣まで上昇してくる。とても15歳とは思えないダイナマイトボディが纏う紅色の装甲がアルキミアの金色の光に照らされるが、それでも尚存在感を損なわない鋭角的な翼は、猛禽類を想起させる。あれで装甲展開を行えば更に派手になるのだから、皆も私だけに注目はしないはずである。
・・・が、当然そんなわけはなく、視線の9割ほどはアルキミアに向いている。残り1割はアルキミアの黄金の輝きに目をやられて悶えている連中だ。専用機持ちは例外なく目を細めてアルキミアを観察している。無論紅椿も気にしてはいるが、見たところそれほど真新しい機能が積んでいなさそうなためか「装甲に展開しそうなパーツがある」程度で考察が止まっている。外見的なインパクトが違いすぎたようだ。
「アルキミア・・・あまりに眩しすぎて、ハイパーセンサー補助なしには・・・直視できない」
「なんか小学校の頃にテレビで出たロボットみたいなデザインだね」
「わかるわかる!角といいウィングといい、ポイント抑えてるよな!」
メカニックデザインについつい夢中になってしまうのは男の子の性。こと近年はISアニメの猛威のせいでロボットアニメは衰退の一途を辿っており、例えロボットそのものでは無くとも意匠にその癖が現れていることが何となく喜ばしい一夏とジョウ。簪も勿論そのことが喜ばしいが、同時に技術面でもあのISが興味深いようだ。
「拡張領域
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