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妖精の義兄妹の絆
真夜中の真実
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ばっ



ミシィ ミシ

「くっ。」
またもや鎧が耳障りな音を立てながら形状を変化させていった。
「ぐはっ。」

バキバキバキ バキバキ

「もっと…、もっと苦しそうな顔をしてくれよ。」
「あぁあああ。」

バキ バキバキバキ

鎧がエルザをきつく絞め、苦しめる。
「その顔が最高なんだ。」
ミッドナイトが不気味な笑みを浮かべ、エルザの苦しむ姿を見ていた。
だが、エルザは痛みに耐えながらミッドナイトに一本の剣を投げた。
「つあっ。」

ブオッ



さっ

「さすがだね。」
エルザの投げた剣はミッドナイトに当たる事なく、軽々避けられた。
「スパイラルペイン!!!!」

ズガガガガガ

辺りを屈折させながらミッドナイトは竜巻を発生させ、エルザを襲う。
「ぐぁあぁぁあつ!!!!あぁああぁあ。」

ドサッ

竜巻から出てきたエルザの姿は鎧は跡形もなく、身体中傷だらけになり、その場に倒れた。
「そんな…。」
「もう終わり?」
「強い…。」
ジェラールはすぐさま立ち上がろうとするが、まだダメージが残っているようだ。
「まだ死なないでよ、エルザ。化猫の宿に着くまでは遊ばせてほしいな。」
「化猫の宿?」
「僕たちの最初の目的地さ。」
「なぜ…そこを狙う……。」
ジェラールはミッドナイトに理由を訊ねた。
「その昔、戦争を止める為にニルヴァーナをつくった一族がいた。ニルビット族。
しかし、彼等の想像以上にニルヴァーナは危険な魔法だった。だから自分たちのつくった魔法を自らの手で封印した。
悪用されるのを怖れ、彼等は何十年も何百年も封印を見守り続けた。











そのニルビット族の末裔のみで形成されたギルドこそが化猫の宿さ。」










場所は変わって王の間の最下層
「奴等は再びニルヴァーナを封じる力を持っている。だから、滅ぼさねばならん。」









「この素晴らしい力を再び眠らすなんておしいだろ?この力があれば世界は混沌へといざなえるのに。」
そう言うミッドナイトに敵意むき出しでジェラールは睨む。
「そして、これは見せしめでもある。中立を好んだニルビット族に戦争をさせる。
ニルヴァーナの力で奴等の心を闇に染め、殺し合いをさせてやるんだ!!!!ゾクゾクするだろう!!?」
ミッドナイトは高らかに笑いながら自分の思い描く地獄絵図を語った。
「下劣な…。」
ジェラールはその言葉を絞り出した。ミッドナイトにはこの言葉しか当てはまらないからだ。
だが、ミッドナイトに怒りはない。むしろ、ほくそ笑みを浮かべていた。
「正しい事を言うフリはやめなよ、ジェラール。」

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