第二章
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で向かい合って座って話をしていた。ここでそれがわかったのだ。
「私の方が三つ上だったのね」
「そうだね。まあそうじゃないかなって思ったけれど」
「年上は嫌?」
不意にという感じでこう尋ねた。よく年上が嫌だという男が多いからだ。彼女はそれを警戒したのだ。
「ううん、全然」
だが彼はそうではなかった。首を横に振って微笑んで述べてきた。
「それは全然ないよ」
「そう、よかったわ」
「けれどさ、今の言葉って」
だがヴォルフガングはここで言うのだった。
「何かしら」
「告白ってことだよね」
それに気付いていなかったエヴァゼリンに楽しげに微笑んで言ってきた。
「つまりは」
「あっ」
それを言われて本人も気付く。クールな美貌が赤く染まった。
「そ、そうね」
「そうだよ」
戸惑う彼女にまた言う。
「いいよ、僕は」
「いいのね?」
「だって。エヴァゼリンさんとても奇麗だから」
「もう、早速お世辞なんか言って」
苦笑いを浮かべるが悪い気はしていない。その証拠に顔は赤いままである。
「何も出ないわよ」
「何も出なくていいよ、そんなのいらないから」
ヴォルフガングはこうエヴァゼリンに言葉を返す。
「エヴァゼリンさんと会えるだけでね」
「それでいいのね」
「それにさ、最近」
ここで話が政治的なものになる。それはこの街にいるならば避けられないことであった。東と西に分けられているこの街ならば。
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