第二十五話 祝辞
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「祝辞?私が?」
「うむ。ミレイ殿、あなたほど祝辞に適した人はおりませぬぞ」
「いや、ヘンリーがいるじゃん」
私よりも10年間アベルと共に奴隷として過ごしていたヘンリーのほうが祝辞に向いていると思うんだけどなぁ。
「いやいや、ヘンリーよりも長くアベルと共に旅をしているミレイ殿だからこそ祝辞をしてほしいのです」
「けど、大勢の前で祝辞とか緊張するから」
「大丈夫ですって」
ピエールが祝辞を私に勧めてくる。(祝辞といえば卒業式でおえらいさんの祝辞とか長くて眠かったな。)
「わかったよ、ピエール。祝辞やるよ」
「ありがとうございます、ミレイ殿。では私は結婚式場に手伝いに行ってきます」
結婚式場だが、教会かなと思ったらルドマンさんのカジノ船だった。
「祝辞か……」
思い出すな。昔友達に『結婚したら私が祝辞をやってあげるよ』って言ったこと。そしてその友達も『じゃあミレイが結婚したら私も祝辞をやるよ』って言ってくれたこと。
今は(『影響』を消さない限り)叶わない夢だが。
「とりあえず祝辞書こう」
宿屋に入ると女将さんに羽ペンと羊皮紙を貰い祝辞を書き始めた。
だが。
「う〜んこれも違う!」
なんで祝辞くらいちゃんと書けないの!自分に自分で文句いったって仕方がないが。
「あら、ミレイこんなところにいたの」
「デボラ!」
「あんた今何やってんの?」
「祝辞を書いているんだけどうまく書けなくて」
「あんた祝辞書けないの?」
「だって内容思いつかなくって」
「あんたって文才とか発想とかないの?」
やめてデボラ!ミレイのライフはとっくに0よ!
「仕方ないわね。私が手伝ってあげるから」
「デボラありがとう!」
そんなわけでデボラの助力もあり私は無事祝辞を書き上げた。
祝辞を書き終わるころには日が沈んでおり,私はカジノ船へ結婚式場の準備をしにいったりとその日は忙しかった。
「疲れた〜」
私はそう言ってベッドに倒れこむ。あんなに何かの準備で疲れたのって文化発表会以来だ。
「明日の結婚式を成功させよう」
私はそう決意し寝ることにした。(祝辞は不安だが)
*
朝起きて朝食のサンドイッチと紅茶を食べたあと私はルドマンさんの屋敷に行った。
なぜか。その理由は
「結婚式での服?」
「ええ、そうよ。あんたの服装って旅人の服の上にみかわしの服着てるだけじゃない」
「それはそうだけど」
「だからあんたも結婚式用に正装する必要があるの」
「けど私他に服もってないよ」
「その点はメイドに任せるわ」
えっデボラどうゆ
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