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万華鏡
第八十二話 近付く卒業その一
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               第八十二話  近付く卒業
 三月になろうとしていた、その中で。
 ふとだ、琴乃はクラスの中でクラスメイト達にこんなことを言った。
「もうすぐ三月よね」
「ええ、もうすぐね」
「三月よね」
「早いわね」
 そう聞いてだ、今度はしみじみとした口調で言った。
「もう三月って」
「そうよね、あっという間だったわね」
「ついこの前入学したって思ったら」
「もう三月ね」
「春から夏、秋になってね」
「冬ももう終わりね」
「一年経ったのね」
 クラスメイト達も言うのだった。
「いや、本当に早いわ」
「もうすぐ二年ね」
「二年生になるのね、私達も」
「高校二年生になるのね」
「いよいよ」
「二年生ねえ」
 琴乃はクラスメイト達の話を聞いて今度は腕を組んでこんなことも言ったのだった。
「二年生になるなんて先だと思ってたら」
「それがね」
「もうすぐなのね」
「信じられないわね」
 こうも言う琴乃だった。
「私が高校二年って」
「それ私もよ」
「私もだから」
 クラスメイト達も琴乃に応える様にしてそうだと言ってきた。
「高校生になったこともね」
「何か信じられないって気持ちで」
「それがね、もうちょっとしたら二年生よ」
「二年生になるのよ、私達が」
「それが信じられないわ」
「ちょっとね」
「そうよね、二年生ね」
 琴乃はクラスメイト達の話を聞いてまた述べた。
「どんな二年生になるのかしらね」
「先輩達みたいになれるのかしら」
 一人がこんなことを言った。
「私達って」
「部活の先輩いい人達ばかりだからね」
「立派な人多いわよ」
「そうした人になれるかっていうとね」
「無理よね」
「どうしてもね」
「そうでしょ」
 その娘はクラスメイト達にこう答えた。
「どう考えてもね」
「ああはなれないよね」
「あんな立派な人達には」
「やっぱりね」
「無理よね」
「ううん、私もね」
 琴乃もだ、ここでこう言うのだった。クラスメイト達のその言葉を聞いて。
「二年の先輩達みたいにはなれないわよね」
「軽音楽部の二年の人達も立派な人ばかりだからね」
「しかも美人揃いで」
「性格よし、顔よしって無敵じゃない」
「無敵の人ばかりじゃない」
「そうなのよね」
 琴乃はクラスメイト達の言葉を聞いてまた言った。
「私達どんな二年生になるのあkしら」
「歳取ってるだけの駄目先輩にはなりたくないけれどね」
「そうした二年生にはね」
「尊敬されたくはないけれど」
「駄目な先輩にはね」
 なりたくないと言う彼女達だった、三月になろうとする中で琴乃はクラスの中でそんなことを話した。そしてそれは部活でもだった。
 プラネッツと一緒になってだ、それで
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