第二章
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「金や銀がな」
「ああ、こんなに安い値段で買えるなんてな」
「どの星でも石みたいに転がっているのか」
「それは凄いな」
「全くだ」
こう話すのだった、そしてズガール星の富に思いを馳せるのだった。そこには嫉妬すら混じる程であった。
だが、だ。今度はだった。
ズガール星人達がだ、人類に驚いて言ってきた。
「嘘ではないですよね」
「いえ、嘘ではないです」
「何故嘘を言う必要があるのですか?」
人類達は驚いているズガール星人達に自分達の方がかえって驚いてだった、こう彼等に対して言うのだった。
「この値段ですよ、ニッケルは」
「それに真珠は」
「我々の間ではです」
「どれもこうした値段です」
「真珠は養殖もしてますし」
「普通ですよ」
この時代ではだ、人類は真珠の大々的な養殖に成功した。それでその値段も価値もかなり安くなっているのだ。
だがズガール星人達はだ、こう言うのだった。
「我々の星ではです」
「ニッケルはですか」
「それに真珠も」
「非常に高価です」
そうだというのだ。
「これの百倍は」
「百倍ですか」
「それだけ違うのですか」
「この値段で買えるとは」
信じられないというのである。
「これは凄いです」
「では」
人類達はズガール星人達に問い返した。
「この値段で、ですか」
「是非買わせて下さい」
ニッケルや真珠をだというのである。
「お願いします」
「それでは」
人類にしても買ってくれるのなら問題はなかった、それでだった。
彼等にニッケルや真珠を売った、その他にもだった。
お互いに何でもないものが相手には非常に素晴らしいものであることが多々あった、それでなのだった。
人類もズガール星人はお互いにだった、顔を見合わせて。
そしてだ、こう話すのだった。
「いや、まさかです」
「そうですね」
「お互いに価値あるもの、多くあるものが違いますね」
「それぞれ」
こう話すのだった、そしてだった。
ここでだ、人類側はこう相手に言った。
「そちらで金や銀が価値がないとは」
「殆どです、あまりにも多いので」
「そうですね、しかし」
「貴方達にはですね」
「非常に価値があるものです」
金や銀がというのだ。
「非常に、それに」
「それにですね」
「貴方達にとってはニッケルが」
「とても高価です」
その通りだとだ、ズガール星人側も答えるのだった。
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