第一章
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価値あるもの
遥かな未来の話である、宇宙に進出し多くの星系を手に入れた人類は他の知的生命体と接触した。その生命体はというと。
名前をズガール星人といった、名前の通りそのはじまりはズガール星系のズガール星にある。
外見は肌が緑色ということ以外は人類と全く同じだ、それで思考も大体同じであり人類も付き合いやすい相手だった。
「これは簡単にな」
「うむ、友好関係が築けるぞ」
「あちらも友好条約を結びたいそうだ」
「両方共資源も土地もあるしな」
宇宙に進出してだ、人類は多くのものを手に入れていたがそれはズガール星人達もだった。
「文明のレベルも同じ位だ」
「それではな」
「このままな」
「平和条約を結んでな」
「共存共栄といこう」
「正直戦争になってもな」
一番の懸念であるこれもだった。
「戦死者が出て予算も食う」
「あれだけ面倒なことはない」
しかも軍需産業自体が実入りが少なくそれに進出している企業も少なく人類側は戦争は避けたかった、そして幸いなことにだ。
それはズガール星人達も同じだった、それでだった。
人類とズガール星人達は平和条約を結んだ、その場ですぐにだった。
ズガール星人達は人類にだ、こう話を切り出した。
「平和条約を結びましたし」
「はい、そしてですね」
「これからのことですね」
「我々は貴方達との貿易を望んでいます」
この話をしてきたのだった。
「そうしたいのですが」
「それはこちらもです」
「こちらもそう願っています」
人類側もだ、彼等にこう返した。
「貿易でお互い利益を手に入れましょう」
「そして文化交流も行いましょう」
「これから仲良くしていきましょう」
「はい、それでは」
ズガール星人達は人類の返事を聞いて笑顔になった、こうしてだった。
人類とズガール星人は貿易も進めていった、彼等は平和でかつ友好的な関係を築いていった、だがその中で。
人類はあることに驚いた、それで彼等に言うのだった。
「あの、金や銀が」
「恐ろしく安いのですが」
「只同然ではないですか」
「この値段でいいのですか?」
「本当に受け取らせて頂いていいのですか?」
「いいも何もです」
驚く彼等にだ、ズガール星人達は何でもないという顔で笑って返した。
「我々の星では普通にです」
「普通に、ですか」
「金や銀があるのですか」
「はい、どの星でもです」
こう人類に話すのだった。
「金や銀が転がっていまして」
「転がっているのですか」
「そうなのですか」
「はい、石と同じくです」
そうだというのだ。
「ですから何の価値もありませんので」
「だからですか」
「これだけの値段で、ですか」
「金や銀が
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