第一章
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だからこそですか」
「恐れることはないのですか、女子は」
「そのことはやがてわかる」
陛下は先を見据えておられた、そのことがお言葉にも出ていた。
「見ていればよい、東条のそうしたところをな」
「そうですか、陛下が仰るのなら」
「それでは」
「うむ、ではな」
周りの者達の言葉を受けてだ、陛下は確かな声で仰られた。とりあえずは東条がどうするのかを見ることになった。
東条は確かに絶大な権力を持っていた、だが。
彼はそれだけではなかった。常に動いていた。
書類の整理をしてあちこちの官庁に足を運び自ら指示を出すことも多かった。人の話も聞きほぼ不眠不休で働いていた。
その間自分で出来ることは自分でしていた、他人に仕事を押し付けることはせず怠けることもなかった。
その彼を見てだ、女子の事務員や電話の担当者達は話した。
「働いてはおられるわね」
「真面目にね」
「確かに持っておられる権力は大きいけれど」
「それでもね」
「偉そうにはしないし」
「あんなに働く総理大臣はじめてじゃないかしら」
こうした言葉も出てきていた。
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