第1話 ちょっとした間違いじゃないんだよな
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はないが、代々水系統のメイジが多いので、その分野の資料や魔法装置などもそろっている。
化学的な実験も、分野によっては水魔法の実験に含まれるので、そういう部分では、色々と前世の知識も役にたち、楽しめる。あとは魔法が使えるようになれば、応用範囲が広がるだろう。
そう思って、研鑽を重ねていったところ、兄は魔法学院を卒業し、父親のもとへ行ったが、俺はめったに自領にもどってこない父や兄とは顔をあわせずにすむ環境で、水系統の魔法薬の実験をすすめながら、身体の鍛錬に、魔法の訓練もしていった。
そうして、15歳になった翌年の春に、父親と兄のいる首都トリスタニアに行き、魔法衛士隊の騎士見習いとして通い続けて、1年ちょっとあまりとなる。今日はこの前、魔法衛士隊隊員である騎士が1名除隊となったので、次の候補として俺の名前があがっているようだ。
そんなことを思って走っていたら、突然目の前に鏡のようなものが出てきたので、急停止をしようと思ったら、その中に入り込んでしまった。
春の使い魔召喚の儀式中、皆が見ている最中にできたばかりの召喚ゲートから一人の男が飛び出してきた。それは、足元からすべるようにでてきたかと思うと、足はすぐにとまり、そこから上半身が前のめりになって、倒れてしまっている。
皆が唖然としている中、召喚ゲートからでてきた男は鼻のあたりを押さえながら、立ち上がりつつ、周りを見回して、すぐ近くにいた髪の毛が薄い中年の男性よりも、同じくらい近くにいる少女へ向かって、
「えーと、ここはどこかな? 美人のお嬢さん」
問われた少女は、唖然としていた様子から気を取り直したようで、
「トリステイン魔法学院よ。それで、貴方はどなたかしら?」
「これは失礼しました。俺の名はジャック・ド・アミアン。魔法衛士隊の騎士見習いをしています。しかし、なんでトリステイン魔法学院なんかにきちまったんだ?」
どちらかというとまだ10台に見える青年とも、少年とも見えるそのジャックという男性が、首をひねりながら考えていたところへ、髪の毛の薄い中年の男性から、
「ミスタ・アミアン。わたしはコルベールと申して、この春の使い魔召喚の儀式を監督している。それで彼女……ミス・モンモランシの使い魔になっていただきたいのだが」
「なに―――! それって、俺が使い魔として召喚されたのか? 自主訓練で走っている最中に突然、鏡のようなものがでてきたから、とまろうとしたらすいこまれちっまたのが、召喚ゲートだったんかい」
周辺にいる魔法学院の生徒たちから「まさか貴族?」とかざわめきつつが出始めていた中で、使い魔召喚で近くにいた縦ロールの美少女が口を開いた。
「ミスタ・コルベール!」
「なんだね。ミス・モンモランシ?」
「あの!
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