原作が始まった訳だが……どうしよう
26話
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さて、序盤の一大イベントである、蒼穹の月に何故介入するのかを説明しよう。
イベントの大まかな概要は支部長の策略で第一部隊の面々がヴァジュラの最上位種あるディアウス・ピターのいる場に集められ、それを知らされぬままに彼らは群れの中のヴァジュラを討伐。
結果、ディアウス・ピター率いるヴァジュラの上位種プリティヴィ・マータの群れが第一部隊を襲撃。
その上、洗脳を受けたアリサが錯乱し、撤退の殿を務めたリンドウの退路を破壊。リンドウの命令により彼を残し、残りは命からがら撤退というのが蒼穹の月なわけだが……少し考えてほしい。
この時点での第一部隊の戦力は部隊で戦ってヴァジュラを一体討伐できる程度だ。
もしかするとプリティヴィ・マータも単体であれば可能かもしれないが、それが群れでしかも錯乱状態の隊員を一名、そして動ける隊員も精神的に不安定な状態でそこから逃げられるか?
正直、かなり不安がある。
仮に撤退できたとして、全員五体満足か?となるとかなり厳しいだろう。
ゲーム中では実際にそれが出来たのだが、万が一という場合があるので何匹かプリティヴィ・マータを狩ろうというのが介入の理由だ。
という訳で、俺の寝床である教会近くの廃ビルの部屋でヴァジュラと戦っている第一部隊を観察中なんだが……あの主人公は本当に人間か?
武器の構成はバランスを重視した刀身は長剣型、銃身は連射型、装甲も通常型なのだが、あの男は棒切れでも振るうかのように片腕で神機を振るっている。
他の隊員の援護はあるものの、実質一人でヴァジュラを圧倒しているじゃないか。実際、ヴァジュラが今もまだ生きているのは神薙 ユウの神機の性能の低さ故なんだろうな。
ユウの剣速は下手をするとアラガミである俺に匹敵しかねないレベルの物で、いくらゴッドイーターとはいえあれは最早人外のそれだ。あれがあの技量に見合っただけの武器を手に入れらたならば、文字通りの神を喰らうもの(ゴッドイーター)と言うべき存在になるのだろう。
そして、技量だけでなく感情の制御も人を超えている。
ヴァジュラの直撃すれば体を引き裂かれるような爪を涼しい表情を浮かべつつ最低限の動きで回避し、それをさも出来て当然とでも言わんばかりに、次の瞬間には踏み込んでヴァジュラの体を切り裂く。僅かでもミスすれば死ぬという恐怖を目の前にしても、それに対しての恐怖がないのだ。
そもそも、死に対して恐怖があるのかすら怪しいな。
ゲームの設定上確かに人類の中でも最強と言うべきゴッドイーターと言われていたが、ここまでとは想像もしていなかった。
しかも、この状態でもまだ発展途上とでも言うべき状態なのだろうから、本編の終わる頃には一体どうなるのかと考えると末恐ろしい。
「あれ、本当に人間なの?」
イザナミも同様の感想らしく、不思議そうに彼を見ている。
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