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第六章
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「いいって。誰にでもミスはあるじゃない」
 優しい笑みを浮かべて里香に言ってきたのだった。
「だからね」
「そうなの」
「一人は皆の為に皆は一人の為にって言うじゃない」
 その優しい笑みでの言葉であった。
「だからね」
「そうなの。だからなの」
「僕だって里香ちゃんにいつも助けてもらってるし」
 自分のことも言うのだった。
「だからね」
「有り難う」
 これは演技ではなかった。心からの言葉だった。潤のそうした優しさを知ってそれで心から出た言葉であったのである。

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