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トワイライト ー夕暮れ便りー
第二章
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「そうしようかしら」
「いいんじゃない?それも」
「オーロラだけじゃなくてね」
「夕暮れの写真も撮ってね」
「それを彼氏に贈るのも」
「そうよね。それじゃあね」 
 私も皆の言葉を受けて頷いた、そしてだった。
 私達はまず北に向かいオーロラを観た、オーロラは確かに綺麗で夜の空の上に浮かんでいる幻の様なカーテンを観て私も皆も夢を観ている様な気持ちになった、そして。
 何とかそのオーロラを写真に撮れてだ、私達はオスロに向かいながら話をした。
「やっぱりよかったわね」
「噂通りよね」
「そうよね、よかったわね」
「綺麗だったわ」
「写真も撮れたから」
 私はそのオーロラの写真を観つつ皆に満足している顔で話した。
「後はね」
「夕暮れよね」
「オスロの夕暮れを撮るのよね」
「それでそれをよね」
「ええ、贈るわ」
 彼氏にだ、そのことはもう決めていた。
「そうするわ」
「じゃあまずはオスロに行って」
「それで夕暮れの撮影ね」
「雪が降ってないといいわね」
「普通の天気だと」
「吹雪だとね」
 北欧だ、私達にしても列車の中で雪と氷ばかり観ている。このことも噂通りだった。
 だから吹雪だった場合を考えてだ、私は皆に応えて言ったのだ。
「諦めるしかないわ」
「その場合わね」
「仕方ないわね」
「ええ、けれどね」
 吹雪じゃない場合、そうならだった。
「絶対に撮るわ」
「頑張ってね、その時は」
「機会を逃さないでね」
 皆も私にこう言ってくれた、そして私も。
 オスロに着いたらそうするつもりだった、夕暮れを。
 そう決意してオスロに入った、オスロは残念だけれど吹雪だった。それで。
 私はオスロの駅で苦笑いになった、周りもその私にこう言ってきた。
「仕方ないわね、これは」
「ホテルに入りましょう」
「観光しようにもこれじゃあね」
「どうしようもないし」
「そうね。覚悟はしていたから」
 吹雪になることはだ、何しろここは北欧だ。雪が付きものだ。
 それで私は夕暮れを撮ることは諦めた、それで車でオスロの街を見回ってホテルに入った。そこで軽く食べてからサウナを楽しんだ。
 そのサウナの中でだ、友達の一人が私に言ってきた。
「ねえ、いい?」
「いいって?」
「ええ、明日だけれど」
 明日だ、日本に帰る日は。その日のことを話すのだった。
「明日ね」
「明日なのね」
「そう、明日日本に帰るから」
「それじゃあ空港でよね」
 そこのお店でだった、最後の最後に。
「お土産買ってね」
「そうしようね」
「そうね、じゃあ今はね」
 そのサウナの中でだった、私は汗をかきつつ言った。
「こうして汗を流して」
「サウナを楽しんでね」
「そうしてまた飲んで」
「夜を凄そうね」

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