第一章
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トワイライト ー夕暮れ便りー
楽しく過ごせていた、昨日も今日も。
私は何人かの友達と旅行に出ていた、行く場所は南の海でも遊ぶ場所が多くある繁華街でもなかった。
北欧、ノルウェーのさらに北の場所、そこに行っていた。
北欧の寒さは噂以上に凄かった、だがその寒さも今の私達にとっては。
「いや、凄いわね」
「これだけ着込んでいてもくるわね」
「顔にもくるし」
「ノルウェーって寒いわね」
「本当にね」
「けれどこれだけ寒いからね」
だからだとだ、私は友人達に微笑んで話した。
「それでもね」
「ええ、熱いお料理が美味しいし」
「それにお酒も強くて」
「甘いものも凄く甘めで」
カロリーが必要だかららしい、北欧の甘いものが強烈なのは。
「それにサウナね」
「サウナもいいのね」
「サウナって本当はあれよね」
私は友人達に言った、今私達はノルウェーの北に向かう列車の中で話をしている。北のさらに北に向かっている中での会話だ。
「フィンランドよね」
「そう、あの国よねサウナは」
「あの国が本場よね」
「そうよね。けれどノルウェーにもあるのね」
「同じ北欧だからじゃないの?」
友達の一人がこう言ってきた。
「だからじゃないの?」
「北欧だから」
「北欧の国ってお互いに結構仲がいいみたいだから」
確かに何度も戦争をしたことがあるけれどだ、今は。
「それでサウナもね」
「あるのね」
「とにかく熱いものを食べて強いお酒を飲んで凄く甘いものを食べて」
「サウナも入って」
「それでね」
そこからだった、私達の今回の旅の目的である。
「オーロラ観ましょう」
「それよね」
「オーロラってどんなのかしら」
皆今から目を輝かせて言う。
「日本では見ないけれどね」
「どんなのかよね」
「実際は」
「そうよね、それを観る為にここに来たから」
「ノルウェーにね」
こう皆で話していく。
「それでこれが終わったら」
「白夜も観てるし」
「オスロも観て」
「そういえばそろそろよね」
ここでだ、私が皆に言った。
「今は夜ばかりだけれど」
「そうそう、それがね」
「そろそろね」
「終わるのね」
北欧独特の夜が終わる、長い夜が。
そして白夜が来る前のだ、その間になのだ。
「夕暮れもあるのよね」
「そう、どうやら私達がいる間の最後の一日ね」
「その日はね」
実際はそうした日が白夜まで来るまでの間続く、けれど私達がこの国にいる間はまさに一日だけである。
その一日だけだ、私達はノルウェーの夕暮れを観ることが出来るのだ。それで私達もここでその夕暮れのことを話すのだ。
「観られるわよ」
「オーロラの後でね」
「そうね、ただオーロラは」
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